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レーザーとアブレージョンによる刺青・タトゥー除去

2016年04月04日(月) | カテゴリ: 刺青・傷跡修正など
刺青除去の症例写真をご紹介します。
当院では、刺青除去の治療として、

1 Qスイッチ・レーザー(ヤグ、ルビー)
2 炭酸ガスレーザー 
3 アブレージョン(剥削術、削皮術)
4 手術による除去(植皮なしor 植皮あり)

などのご用意があります。

今回は、アブレージョンつまりグラインダーによる除去治療と
炭酸ガスレーザーを組み合わせて、刺青を除去した症例です。

患者さんは、25歳の男性で以前両肩に入れた刺青を除去したいということで
当院に来院されました。

右肩が太陽、左肩が月のようなデザインの刺青です。

当院に来る前に、何軒か他院美容外科に足を運び既にカウンセリングを受けていたとのことです。

他院で勧められた除去法は、下記の2つであり患者さん的には、

・切除縫合 → しかし切られるのは嫌! 刺青が関節部近くなので突っ張る可能性があり却下。
・Qスイッチレーザーによる除去 → 回数がかかり、費用がかさむので却下。

とのことでした。すなわち裏を返せば、

・切らずに
・少ない回数で確実に取りつつ、
・費用も抑え気味に。

との希望でしたので、
当院でアブレージョン(グラインダー)による切除を行うこととなりました。

ちなみに、ピコレーザーだとQスイッチに比べて少ない回数で刺青が取れるという噂が
まことしやかに巷に出回っていますが、日本ではいまだ誰もその結果を出していません。

出れば確実に学会発表・論文発表ものですが、レーザー会社の営業担当もこの点については、
実は毎回口を濁します。

素晴らしいレーザーなのかもしれませんが、まだ現段階では技術的に未確立なのでは? 
という疑問が残ります。

下は、グラインダーによる刺青除去を行って7ヶ月目の状態です。

左肩の月の模様は、幅の狭いデザインだったため1回で、
右肩の太陽の模様は、1ヶ月間隔で2回に分けて取りました。
傷跡こそ残っていますが、完全除去です。

写真を見て傷跡を気にされる方も確かにいるとは思いますが、
この除去方法の基本コンセプトとして「刺青を傷跡に置き換える」ということなので、
これで患者さん的にもOKなわけです。

今回グラインダーによる剥削術を当初行っていましたが、
この部位は皮膚が厚いという点と面が平面ではなく、曲面ということもあり、
削りが均一にいかない部分があったため、途中何カ所かは炭酸ガスレーザーによる
削り取りも合わせて行っております。

当院の炭酸ガスレーザー(イタリア・DEKA社)は、ハンドピースを交換することで
スキャンニング・モードとして、点ではなく、面で皮膚面を削り取ることも出来るため重宝します。

私は、特別に患者さんがQスイッチによる除去を希望してこない限りは、
グラインダーか、炭酸ガスレーザーによる除去を勧めることにしています。

長所は、上に述べたように最大かかっても2回の除去で刺青が取れてしまう点です。

Qスイッチだと傷跡はもっとずっと目立たないと思いますが、
色素の種類と深さにより5回から15回くらいはかかり、薄くはなるけれども取り切れないこともままあります。

傷跡が多少残ったとしても、少ない回数で完全除去という意味では、
グラインダーか炭酸ガスレーザーによる除去が勝っています。

ただし、これらの方法にも下の欠点1,2があります。

1.炭酸ガスレーザー
削る際にレーザー光の吸収による熱が生じるので、
熱傷が生じ組織が赤く盛り上がって目立つ傷跡となることがある。(ケロイド、肥厚性瘢痕の発生)

2.アブレージョン、炭酸ガスレーザー共通
傷跡が残り、さらに模様の通りに細かく除去面をトレースすることが難しく、
模様よりも幅のある傷跡となってしまう。

削皮術の場合傷跡が残るのはやむなしとして、削り取りの際に生じる熱をなくしつつ、
正確に刺青の模様の通り除去するという意味ではメスによる削皮術が
実は一番すぐれているように思えます。

これは、メスによる切除縫合とは全く異なる手法であり、表面のみをメスで薄く削り取り、
縫わずにそのまま皮膚がはってくるのを待つという手法です。
ただ、問題はメスという言葉に対してプレッシャーを感じる患者さんがいることです。

しかしながら、こと削皮術のみに限って比較するなら、
結果はメスによるものが一番すぐれているのは間違いないでしょう。
当院の刺青治療の詳細はこちらです。

<本ブログの症例に関する情報>

治療名:刺青除去(アブレージョン) 費用:330,000円(10cm×10cm)
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、化膿、皮膚の傷跡、ケロイドなど
治療内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ

監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士