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三重まぶた改善策としての眼瞼下垂手術

2017年06月26日(月) | カテゴリ: 美容外科, 二重整形・眼瞼下垂・目元
瞼に二重ラインが2本以上複数あることを、三重(みえ)と言います。

また手術によって、予定していたラインの上方に「予定外重瞼線」というラインが生じて
三重状態になることも、二重手術に関連するライントラブルの一つととらえることも出来ます。

三重まぶたとなる主な原因として、

1.瞼の皮膚のたるみ
2.上瞼のくぼみ
3.目が十分に開いていない眼瞼下垂状態
4.切開二重手術によって生じた三重(脂肪の取り過ぎなど)
5.眼瞼下垂手術によって皮膚が上方に押されることで生じる三重

などがあり、その他にもいろいろな要素が絡んできます。

1の皮膚のたるみによる三重の場合、実際に皮膚が伸びて余っているケースと、
皮膚が加齢や日光暴露などで劣化して弾力や保湿力を失いしわが出来やすいコンディションに
なっているということがあります。

2の上瞼のくぼみが原因の場合、筋肉・脂肪などの組織が萎縮して、目を開いた時に
上瞼のくぼみ部分で皮膚が折れ曲がり三重か極端に広い二重ラインとして見えることがあります。

3の眼瞼下垂も、三重まぶたの原因としてかなりメジャーなのですが、
眼瞼下垂の治療を行うことで1, 2が原因の三重まぶたも改善することが多くあります。

眼瞼下垂の治療法でありつつ、三重まぶたや幅広の二重の修正もできる、
大変応用の利く治療であることが分かります。後ほどそのような症例をご覧に入れます。

4の切開式二重手術が三重まぶたの原因の場合は、上瞼の眼窩脂肪を取り過ぎたり、
術後にまつ毛の生え際から切開ラインの間に強い腫れが生じた際に、切開した部位で綺麗に
ラインが折り込まれず、その上の方にラインが生じてしまい、そのクセとしてそのまま
残ってしまうというケースがあります。

このようなケースでは、多くの場合1ヶ月以上掛けて腫れが引いてくると、予定外重瞼線や
三重ラインが消えることがほとんどですが、それでも希には希望した(予定した)位置より
上のほうにラインが残ってしまうということもあります。

また、これも希に見かけますが加齢により瞼の皮膚のたるみが強い方に対して
眼瞼下垂手術を行った場合、瞼の開きがよくなったことで、眉毛と二重ラインの間に皮膚の余りが
新たに生じてそこにたわみが生じて三重が生じてしまうことがあります。

矛盾しているようですが、眼瞼下垂手術によって三重が治ることもあれば、
眼瞼下垂手術によって逆に三重が生じてしまうことがあるのです。

このような三重まぶたや予定外重瞼線のトラブルに対する対策、治療には以下のものがあります。

1.眉下切開か、重瞼ラインの上の皮膚を切除することで、ラインと眉毛の間にある皮膚の量を減らす。
(皮膚を伸ばすイメージ)

2.瞼にくぼみが生じているのであれば、くぼみに対するヒアルロン酸注入が一番有効ですが、
くぼみを浅くしても、必ずしもクセがついてしまっている三重まぶたが消えるとは言い切れず、
消えることが多いとしか言えないという点があります。

また別の問題として、今までくぼみの部分に引っ張りこまれていた皮膚が、
治療によってくぼみが解消されると今度は下方に降りてくることで、
新たにたるみが生じたり、二重幅が狭くなるという問題が発生ずることもあります。

3. 切開式二重や眼瞼下垂手術などの手術直後に上方に生じた予定外重瞼線を消すには、
そのラインの下を剥離して上瞼の眼窩脂肪を引き出し、その部位に移動固定させて、
二重の折り込みをブロックしたり、希望の重瞼ラインの上下の皮膚を糸で縛って、
クセ付けを強制的に作る「袋とじ」と呼ばれるテクニックもあります。

4.眼瞼下垂手術(腱膜前転法)は、目の開きを改善しつつ、三重まぶたの状態を改善し、
軽度の上瞼のくぼみに対して改善効果を期待できるので、一挙三得の手術です。
しかし、既に上に述べたように副作用として逆に上瞼皮膚の余りが生じることを念頭に置いて、
必要に応じて上瞼のたるみ取り(ラインの上の皮膚切除かもしくは眉下切開)を
コンビネーションとしてあわせて行うこともあり得ます。


とまあ、三重、予定外重瞼線などライントラブルを解消するにはいろいろな要因の複雑な相互影響を
考慮しなくてはならないのですが、今回は分かりやすい症例をご紹介します。

下は、軽度の眼瞼下垂のある患者さんで右が上瞼のくぼみを伴う幅の広い二重まぶた、
左が皮膚のたるみとくぼみを伴い、複数の二重ラインが見られる三重まぶたの状態です。

52歳の女性で、目を今より開きやすくしたいという希望と同時に、
二重ラインを整えて左右のバランスをよくしたいとのことでした。

2017062601
果たして、通常の挙筋腱膜前転法で上に述べた問題点がどの程度改善するか?

腱膜短縮を行い皮膚縫合の仮留めを行ったところ、やはり予想はしていましたが
左目の上瞼に、皮膚の余りによるたるみのかぶさりと三重ラインがまだあったため、
二重ラインの上の皮膚を2mm幅ほど切除して、さらにラインの上下を糸で結んでクセ付けする
「袋とじ」縫合を追加しました。

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そして、上が1ヶ月目の状態。

目の開きが強化されたことにともなって、右の二重の幅広さと左の三重が大幅に改善しました。

また、特筆すべき点として上瞼のくぼみも両側でかなり浅くなっている点が写真から分かるかと思います。
目の開きがよくなると二重ラインの折り込みがしっかりと深く入ることで、皮膚が2枚折りの厚みとなり、
上瞼組織にボリュームが与えられるためです。

わずかに二重幅が右側において左より狭いのが私には気になり、
皮膚切除追加でさらに微調整することもできるのですが、患者さんがこれ以上を望まなかったため
いったん治療はここで終了となりました。

このように、眼瞼下垂治療を受けることで目の開きが良くなるばかりでなく、
付随的に幅の広すぎる二重まぶた、瞼のたるみ、三重まぶた、しわ、くぼみなど
様々な改善が一挙に得られることを覚えておいて頂ければと思います。
当院の眼瞼下垂治療の詳細はこちらです。

<本ブログの症例に関する情報>

治療名:眼瞼下垂術による三重まぶた改善治療 費用:550,000円
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、ライン消失、後戻り、左右差など
施術内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ

監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士