みずほクリニックTOP » ブログ » 美容皮膚科 » しみ » レーザートーニングによる最新の肝斑治療
みずほクリニック院長ブログBlog

レーザートーニングによる最新の肝斑治療

2016年02月15日(月) | カテゴリ: しみ
前々回のブログでは日光性色素斑に関する症例を紹介しましたが、
今回は典型的な肝斑の症例です。

当院の肝斑の治療は、レーザートーニングを中心として、
これに美白内服(トランサミン、シナール)を組み合わせるものが中心です。

もう既にかなり前から確立されたオーソドックスな手法ではあります。
この他、イオン導入、トラネキサム酸のメソセラピーなども必要に応じて
追加することがあります。

さらに、徹底して肝斑治療を行うのであれば化粧品にもこだわりたいところです。

当院では美白に強いドクターコスメ、「資生堂・ナビジョン」を勧めています。

ナビジョンにはほとんどのラインナップにトラネキサム酸が配合されていますが、
単にトラネキサム酸が入っているという商品なら、他社製のものもあります。

ナビジョンの場合、トラネキサム酸を皮膚の中に浸透させるノウハウにポイントがあり、
これが資生堂独自開発の方法です。

さて当院のレーザートー二ング用のマシーンである「レブライト」には
従来機よりも高いピークパワーが出せるなどの特徴もありますが、
照射の様式に2つのモードがあることが一つの売りとなっています。

1つ目は従来通りの1つの波で打つシングルパルス・モード。

2つ目は、短い時間内に2つ分の波を連続して打つダブルパルス・モードです。

最近の打ち方として、典型的な肝斑には
まずは従来通りのシングルパルス・モード6mm の2.5Jから3.0Jで打っています。

そしてしみの色がある程度抜けてきた時点で、
ダブルパルスモードを40代以上の方では打つことが多いです。

ダブルパルスは、引き締め、ハリ・ツヤ、リフトアップなど
主に肌の若返り効果目的に用いています。

一昨年の開業導入時には、ダブルパルスモードを最初から使って、
シングルパルスモードと比較してみたりもしていましたが、
色の抜けという点では実はシングルパルス・モードの方が有利な印象です。

ダブルパルスモードで最初から打って
かなりしみがきれいに抜けたケースも経験しましたが、
シングルと比較すると効果が現れるまで時間がかかったり、
場合によっては効果がなかったりすることも確かにありました。

このことは、しみのもとであるメラニンを破壊するには
ある程度のまとまった量のエネルギーを短時間でメラニンにたたき込む必要が
あることを示唆します。

ダブルパルスは、たくさんのエネルギーを二波に分けて分散させて打つ分
痛みは少ないのですが、おそらくピークパワーがメラニンを破壊するのに
充分ではないように感じます。

しかし、ダブルパルスにももちろん良い点はあります。

痛み、刺激感の少なさに加え、40代以上で
皮膚にゆるみ・タルミを感じている方に使うと、皮膚が引き締まり、
毛穴が縮んで、皮膚の表面が滑らかにつややかになり肌の調子がすこぶるよくなる
という感想を患者さんから聞きます。

シングルパルスよりも、1発により多くのエネルギーを入れて打つことができるため
いわゆるフォトサーマル効果(熱入れ効果)が高いからという説明が可能です。

これに対して、シングルパルスはより衝撃波に近い要素が加わってくるため
フォトアコースティック効果(光音響効果)がダブルパルスよりも強いと
言うことなのかもしれません。

ということで、パターンとして

1)しみ・くすみ・肝斑など色味にフォーカスした治療
最初の5~7回をシングルパルスで行い、
ある程度結果がでたら、ダブルパルスに移行する。

2)漠然と肌を若がえらせたいなどの希望の方
色味についてはシングルパルスよりも効果が若干落ちるけれども、
総合的に肌に対して若返り効果を発揮するダブルパルスを最初からずっと使用。

という2通りのパターンで使い分けています。

ダブルパルスについては、従来よりあるロングパルスのヤグレーザーによる
レーザーフェイシャルの効果をより強化したような結果が得られる感じです。

そして、去る1月24日に行われたサイノシュア、エンビロンの合同セミナーにおいて
レーザー・照射系治療で著名な都内某クリニックの先生の講演があり、
レブライトによるしみ治療についてお話されていましたが、
やはり上記のごとく私の考えとほぼ同じ使い分けを行っており、
今まで行ってきたこの方針でまず間違ってはいないのだなという感触を得ました。

下は、49歳の女性で、ほぼ肝斑単独のしみに見えます。


  


シングルパルスの2.7Jで1回に5~6passとして全顔照射しました。
下は、6回照射後の状態です。


  


まだ頬骨からホウレイ線外側にかけてうっすらと肝斑が残っていますが、
全体的にはかなりの改善です。

さらに毛穴の開きが目立たなくなり、肌の肌理が整ったように見えます。

シングルパルスで打ったとしても、色味の改善に加えて
このように肌質が改善されることが多いと言えます。

去年まで迷いはありましたが、ダブルパルスにもそれ独自の良さは認めつつ、
典型的な肝斑に対しては、やはり従来通りのこの打ち方が定番かつ鉄板
というのが今の時点での結論です。
当院のレーザートーニングによる肝斑治療の詳細はこちらです。
レーザートーニングのその他の症例はこちらです。
※レーザートーニング(しみ・肝斑治療)の効果を上げるコツについてはこちら。

<本ブログの症例に関する情報>

治療名:レーザートーニングによる肝斑治療 費用:22,000円/回 6回照射
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、水疱形成、熱傷、熱傷による色素沈着など
治療内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ

監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士