生理周期のコントロールや
PMS対策としてピルを処方しています。
患者様からのご要望が多かったため、ピル外来を開始しました。 ピルはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲスゲン(黄体ホルモン)という二つの女性ホルモンを主成分とした避妊薬で、生理周期の安定化だけではなく、PMS(月経前症候群)対策などでも活用されているお薬です。その他、緊急避妊ピルや旅行などにあわせた月経移動、さらにホルモンバランスの乱れによるニキビや肌荒れなども予防としても活用されています。
ピルの種類
- ○低用量ピル
- 低用量ピル(oral- contraceptives)は卵胞ホルモン含有量50μg未満のもので、排卵を抑制するお薬です。ピルによって女性ホルモンを取り入れることで身体が妊娠しているような状態になり、排卵を抑制し避妊効果を高めます。
またホルモンバランスが整うため、ニキビや肌荒れの改善、月経前症候群(PMS)の緩和、生理不順や月経痛の緩和といった効果もあります。 - こんな方に
・望まない妊娠を避けたい
・生理周期を安定させたい
・生理痛を軽減したい
・生理前のイライラ(PMS)を軽減したい
・ニキビや肌荒れを治したい - 服用方法
・1日1回1錠を毎日同じ時間帯に服用します。飲み忘れは極力避けるようにします。
・1日(1錠)飲み忘れた場合は、翌日2錠を服用してください。
・2日以上のみ忘れた場合は避妊効果が大変薄まります。 - 注意点
服用を始めた当初は、吐き気、倦怠感、不正出血などがみられることがありますが、1か月ほどで落ち着くことがほとんどです。 - 禁忌事項
・35歳以上で1日15本以上タバコを喫う方
・肝機能障害のある方
・妊娠(または、その可能性)、授乳中の女性
・血栓性静脈炎、肝塞栓またはその既住のある方
※詳細はご相談ください。
- ○アフターピル(緊急避妊)
- アフターピル(緊急避妊)は、コンドームが破れてしまったなどの望まない妊娠を避けるためのお薬です。より身体に負担もなく確実な避妊法は低用量ピルですが、万が一の際の緊急対策として活用されるとよいでしょう。72時間以内に服用するようにしてください。早ければ早いほど避妊できる確率も上がります。
- こんな方に
・コンドームが破けたり外れた
・コンドームを使用しなかった
・望まない性交渉があった - 服用方法
・72時間以内に1錠服用してください。(ノルレボ)
・72時間以内に2錠服用し、さらにその12時間後に2錠服用してください。(プラノバール) - 注意点
吐き気、頭痛などの症状がありますが、1日程度で収まります。
- ○月経移動(中容量ピル)
- 卵胞ホルモン含有量が50μgのピルを中容量ピルといい、月経周期の調整で使用することが多いお薬です。旅行やイベントなどを生理が重なるという際に周期をずらすためにも服用します。月経周期を早める方法と遅くする方法がありますが、遅くするほうが一般的です。
- こんな方に
・旅行やイベントと重なる生理をずらしたい - 服用方法
月経を早めたい:月経初日から5日目以内から約10日間服用。
月経を遅らせたい:予定月経初日の5~7日前から月経を延長したい日まで服用。 - 禁忌事項
・ヘビースモーカーや血栓症の既往歴のある方
・肝機能障害がある方
・妊娠の可能性のある方