

脂肪注入による膣縮小術は、腰や太ももなどからご自身の脂肪を採取し、生着率を上げるために不純物を除去し純度を高めた脂肪を膣内に注入する膣引き締め治療です。ヒアルロン酸などと異なり、一度注入をすれば定期的に注入する必要がない点が特徴です。
女性は30代を超えると、次第に加齢に伴って膣壁の粘膜や粘膜下組織に萎縮が生じ、膣内がゆるみ始めます。
その結果として以下のようなトラブルが発生します。・風呂上りに膣からお湯が出る
・膣に空気が入り、音が出る
・性交時の密着度が減ってしまう
・子宮脱、子宮下垂の原因となる
また若い年齢の女性であっても、ご自身の膣の大きさが気になったり、パートナーに指摘されたとして外来でご相談を受ける機会は実に多いです。
このような膣のゆるみを引き締める治療にはいくつかの治療法があり、当院では患者様の症状や希望にあわせて最適な治療法を提案しています。
- 1.手術による膣縮小術
- 1回の治療で確実な効果を期待されるのであれば手術による膣縮小術がお勧めです。当院では、膣壁の粘膜下を膣口から子宮口まで広範囲に剥離して、粘膜を縦方向に縫い込むことで膣の横径と縦径の両方を同時縮小することで膣全体の容積が減るという方式をとっています。(粘膜弁法)
膣壁の一部を切除縫合するだけの方法よりも手間と時間がかかりますが、術後の結果が圧倒的に違います。 - 2.レーザーによる膣縮小術
- 手術がベストだとはわかっていても、ダウンタイムや痛みなどを心配されてなかなか踏み切れない方も多く見受けます。そのような方には、レーザーによる引き締め治療として、国内で最も知名度の高い「インティマレーザー」をお勧めしています。レーザー治療のためダウンタイムがほぼありません。
ただし治療は1か月ペースで5回程度照射を行う必要があるため、即効性をお求めの方や1回で改善したいという際には他の膣引き締め治療をご提案しています。 - 3.ヒアルロン酸注入による膣縮小術
- 1回の治療で手術よりも手軽に効果を実感したいなら、膣壁へのヒアルロン酸注入という方法もあります。局所麻酔注射を膣壁に打つ際は、若干の痛みがありますが、その後はほぼ無痛状態でヒアルロン酸を注射して終了。トータルで20分ほど、もちろん日帰りで可能な治療です。
ただしヒアルロン酸は徐々に分解吸収されなくなってしまうため、最も持続性のあるヒアルロン酸を使用した場合でも効果は2年ほどとなります。 - 4.脂肪注入術による膣縮小術
- ヒアルロン酸注入のような注入術で、より持続期間が長期にわたるものをお求めなら、脂肪注入術という選択肢もあります。脂肪注入術とヒアルロン酸の最大の違いは、注入した脂肪が生着すると自己組織となり、その効果が10年単位のスケールで持続する点です。
当院では、注入した脂肪の生着率を引き上げるための脂肪精製システム「コンデンスリッチ脂肪注入」を採用しており、その平均的な注入脂肪の生着率はおよそ50%から80%とされています。膣の粘膜下は血流の豊富な組織のため、自己脂肪の移植床としては比較的良好な環境のため脂肪の付きやすさという意味では有利な部位と考えられています。
