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しみ・あざ治療にアコレード(Qスイッチ・アレキサンドライト)導入

2018年10月16日(火) | カテゴリ: しみ
2018年10月16日、当院にQスイッチ・アレキサンドライトレーザーの
「アコレード」がついにアメリカより到着しました。

世界最大のレーザー会社である米国サイノシュア社製のマシンです。





見た感じ若干古めかしい、今風ではないデザインなのでお分かりかと思いますが、
実は特に最新型のマシンではありません。

結構前からあるマシンであり、今更ですか?と言われてしまうかもしれませんが、
このマシンの導入で、ついに当院のQスイッチがヤグ、アレキ、ルビーと
3種類(ヤグを2波長とすると4波長)全てがそろったことになります。

これらはすべて、
しみ取り、美肌・美白治療、アザ治療などの目的で使用されるレーザーです。

一見、機能が重複しているため、何故わざわざ3種のQレーザーを用意する必要が??
という疑問が当然出てくるかもしれません。

しかしこれら3機種をそろえたのにはきちんと意味があって、
同じしみ取り(or アザ取り)用マシンと言っても、実は用途がかなり違う訳です。

ちなみに当院のQレーザーのラインナップは、

・ヤグレーザー ;レブライトSI (米国サイノシュア社)  波長523/1064nm
・アレキサンドライトレーザー ;アコレード(米国サイノシュア社)波長755nm
・ルビーレーザー ;The Ruby Z-1 (日本JMEC社) 波長694nm

の3つになります。

まずヤグ(レブライトSI)は、2波長のうちの1064nmが肝斑治療に有効です。
レーザー治療でこれよりも肝斑治療に有効なものはまずないと言っていいでしょう。

あくまで私の持っているマシンの中での印象ですが、
肝斑ならピコよりもいまだにQヤグのほうが取れると思っています。

本物の肝斑であるなら、このヤグレーザーとしみ治療内服、
そしてエレクトロポレーションの3つの組み合わせでほぼ100%治せます。
レブライトSIは開業当初にまず入れたマシンの1つですが、今でも大活躍しています。

一方、レブライトSIのもう一つの搭載波長である532nmは、
しみ(いわゆる日光斑・老斑)取りに使おうとするとかなり扱いづらく、
炎症後色素沈着が出やすい上にしみの再発率も高い印象です。

色の濃いしみであればしっかりと綺麗に取れることもありますが、
色の薄いものは取り切れないことも多いです。

そのため当院では、
Qヤグは肝斑治療もしくは刺青除去に特化したマシンとして使用しており、
いわゆるスポット照射によるしみ取り(日光斑・ADM除去)で使うことはほぼなくなっています。

それに代わって、日光性色素斑やADMをよりキレイに1回でスパッと切れ味よく
取りたいという考えのもと、開業2年目のあたりでQルビー(The Ruby Z-1)を導入しました。

これが、思っていた以上に効果を発揮してくれて今に至っています。

ところが、1点だけ問題があり、最終的にしみが取れることはそれで良いのですが、
肌のトーンが暗い方などに照射すると、しばしば炎症後色素沈着が生じて回復に3~6ヶ月を要します。

これが患者さんにとって精神的な負担になることがあるため、
色黒の方の場合はピコレーザーで日光性色素斑とADMは除去することが多いです。

ピコは、アレキサンドライトのピコシュア(サイノシュア社)を使っていますが、
照射により痂皮(カサブタ)がかろうじて出来たり出来なかったりする程度で、
仮に痂皮が生じてもフォトフェイシャルで生じるようなかなり薄いカサブタのため目立ちません。

また、うまくセッティングをして照射すれば炎症後の色素沈着がほとんど生じません。

希に炎症後色素沈着を生じたとしても、3週間から1ヶ月程度で
色が薄くなりもとの状態に戻ることが多いです。(最長で2ヶ月くらい)

よって、Qルビーよりも肌への負担の少ない方法として
今年初めに導入して以来大変重宝しており患者さんからの評判も上々です。

うまくコツがつかめると、ピコレーザー(ピコシュア)の場合、
炎症後色素沈着を除くほとんどのタイプのしみが取れることが最近分かってきましたが、
それでも最後にわずかに取り切れないしみが残ることがあります。

そのような時は、ここから先はQルビーで…とも思いましたが、
Qルビーよりも肌への負担が少なくかつピコよりもしみがさらによりよく取れるレーザーは何か?
ということをよくよく考えた結果、Qアレキサンドライトを購入するに至りました。

つまり当院のしみ治療における各マシンの位置づけとして、
最終手段のQルビーとピコレーザーの間をつなぐポジションのマシンが
今までずっと欲しかった訳ですが、それがQアレキだったということになります。

ちなみにこのアコレードの競合機種としては、
シネロン・キャンデラ社のアレックスIIがあります。

こちらもQスイッチアレキサンドライト・レーザーとしてはビッグネームであり、
アコレードよりもむしろ国内で導入施設も多い定番機のはずです。

しかし、アコレードはしみ・あざ除去治療だけではなく、
トーニング、レーザーフェイシャル、ホワイトニングなど、
美容治療に特化したパラメーター設定がメーカー指定で既に明らかとされており、
中空照射などのバリエーションが豊富ということもあり、あえて名前・知名度こそ
アレックスIIよりはマイナーであるもののアコレードの方を選ぶこととしました。

以前にデモで借りて使っていたこともあり、使い方は既に分かっていますがこれからは
当院のシミ治療において新たな心強い戦力の一つとなることでしょう。

都内でも、Qレーザーのうちヤグ、アレキ、ルビーの3機種全てをそろえている
クリニックは少ないと聞きますが、美容皮膚科・美容外科の開業医として
しみ治療は最もニーズの多い、最重要項目の一つであることを考えると、
この3つ全てが本来は診療に絶対に必要と考えて今後も使い分けてゆくことになります。

しみ治療だけのためにそこまでするのか? と思われる方もいるかとは思いますが、
当院のしみ治療にかける本気度と意気込み、熱意の一端を感じて頂ければ幸いです。
当院のしみ治療詳細はこちらです。
監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士