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下瞼たるみ取り・ハムラ法症例

2019年11月05日(火) | カテゴリ: 美容外科, たるみ(美容外科)
「下瞼のたるみを見て欲しい」と言う患者さんも多く来院されますが、
その原因は様々で、一つ一つの要素を切り分けて考えてゆく必要があります。

下瞼の老化現象の全てが患者さんにとっては「たるみ」に該当しますが、
実は「たるみ」というのはとても漠然とした表現であって、
たるんで見える具体的原因にはおおまかに下記のようなものがあります。

1.皮膚がゆるんでいる or 余っている。
2.下瞼にへこみ(くま)をがある。
3.下瞼のへこみに沿ってシミがありクマのように見える。
4.下瞼に目袋(脂肪のふくらみがある)
5.下瞼にしわが目立つ。
6.下瞼に赤黒いような皮膚の色味がある。



ざっと上げただけでも上のような6つの原因があり、
これらが複数同時に存在することも多いです。

それぞれについて簡単に説明しますと、

1.皮膚がゆるんでいる or 余っている
皮膚のゆるみ、余りであれば手術による皮膚切除もよいですが、
最近はレーザーによる皮膚の引き締め治療を選ばれる方もいます。

2.下瞼にへこみ(くま)をがある
3.下瞼のへこみに沿ってシミがありクマのように見える。

下瞼にへこみがあり、それによる影がたるみのように見られる場合は、
ヒアルロン酸注入か脂肪注入が速効性があります。

ヒアルロン酸は定期的に入れなくてはいれないので、
この点がネックになる方には脂肪注入が良いでしょう。

4.下瞼に目袋(脂肪のふくらみがある)
また下瞼にぷっくりと膨れた目袋がある場合は、
気になる脂肪を取ってしまえば良いように思えますが
この点には落とし穴があるので要注意です。

ある年齢以上で皮膚に余りがあって目袋のふくらみがある場合、
脂肪を取ってしまうと「風船の空気を抜いた状態」となり余計たるんで見えたり、
下瞼が逆にへこんでしまい、さらに上瞼にもへこみが生じることもよくあります。

20代、30代前半など皮膚にたるみがまだない時点では、
この脱脂手術も目袋の治療として有効なケースがありますが、
30代後半以降で目袋のふくらみと同時に皮膚に既にたるみがある場合には、
脱脂は絶対に行うべきではありません。

5.下瞼にしわが目立つ
しわに対しては、手術がベストですが
それ以外ではレーザー、ヒアルロン酸でもある程度対応可能です。

6.下瞼に赤黒いような皮膚の色味がある
しみ(皮膚の色味)に関してはしみ取りレーザーが向いており、
この部分は多少強いレーザーを高出力で打っても色素沈着が起こりにくいので
比較的容易に解決出来ます。

なお下瞼の赤もしくは赤黒いような色味斑に対しては
近年まで治療手段は全くありませんでしたが、当院ではこの色味を
改善してより自然な肌色に近づけるレーザー治療を独自に行っています。

…さらに付け加えますと、下瞼のしわ・クマなどに対して
PRP療法を推奨しているクリニックが現在でもかなりあるわけですが、
治療成功率的に見て非常に低いため当院ではお勧めしていません。

症例写真などで提示されているのは
メーカー提供のチャンピオンケースであることが多く、
全ての患者様でそのような結果が得られる訳ではなく
むしろハッキリした結果が得られることの方が希であるため注意が必要です。

決して効かないと否定している訳ではないですし、
過去に実際自分でやってみてうまくいったことも確かにあるにはありますが、
まだまだ発展途上の治療法であるという感は否めません。

あと100年くらいすれば技術的進歩にともなって
治療法として確立される可能性はあります。


さて一般的な話はこのくらいにして実際の治療例を見てみましょう。



上は、下瞼のたるみを治して欲しいとのことで
他院某美容皮膚科から紹介を受けて来院された53歳の女性です。

この方における下瞼の老化の原因としては、

・皮膚のゆるみと余り
・しわ
・目袋(眼窩脂肪の前方への突出)
・下瞼のへこみ(瞼頬溝)

の4点がメインとして挙げられます。

今回は手術で改善希望とのことでしたので、
上記4点の問題を一度に改善出来るハムラ法手術を行いました。

ハムラ法とは、目袋の原因である眼窩脂肪を下瞼のヘコミへ移動し
縫合固定してふくらみを減らして、さらにへこみを膨らませ、
下瞼の凹凸をならして平らにする手術です。

合わせて余った皮膚の切除と下瞼の眼輪筋の吊り上げ固定により
ゆるみを引き締めることができます。

皮膚の余りとたるみ、シワ、目袋、下瞼のクマ(影)の4点を
一つの治療で一度に改善できる手術として、
美容外科の世界ではかなりスタンダードな術式です。

しかし、安全かつ効果的な手術結果を出すには
それなりの症例数を積んでいるクリニック以外で行うことはお勧めしません。

数ある美容外科手術の中でも比較的難易度の高い手術の
一つであるとだけは言っておきましょう。








そして上の2枚の写真で上から1番目が術前、2番目が術後1ヶ月の状態です。

睫毛の生え際に沿って切開を行っているため、この時点で傷跡はほぼ分かりません。

しわ・クマ・たるみ・目袋の4要素に着目すると、
左がほぼ100%の改善であり、右が90%の改善くらいの評価となります。

なおこの方の場合、下瞼の問題とは別に
頬の前面にまだいわゆる「ゴルゴライン」が目立ちます。(特に右で)

こちらは下瞼たるみ取りハムラ法で改善する部位ではありません。

「ゴルゴライン」は俗称であり、
正式には「頬溝」とか「メーラークリーゼ」と呼ばれるへこみのラインですが、
こちらは同部へのヒアルロン酸注入や脂肪注入で膨らませることで
たるみを取りつつ消してしまうことが方法の1つです。

もう一つのゴルゴライン解消方法としては、
ハムラ法手術の際に同時に中顔面のたるみ部分の皮下組織に糸を掛けて
眼窩下縁の骨膜を力源(固定源)として頬の前面の皮膚を上へ引き上げる
いさゆる「ミッドフェイスリフト」を合わせて行うことで
ゴルゴラインを消すことも可能です。
ご希望の際にはカウンセリングの際にお申し付けください。

ハムラ法手術は一気に4つの要素を改善できる治療のためお勧めですが、
術後は2週間程度の腫れと内出血が下瞼を中心に生じるため、
ダウンタイムがゼロの治療とはとても言えません。

また、メスを用いた切開手術ということに
そもそも抵抗を感じる方も多いことでしょう。

そのような患者さんのために当院では、
以前よりも下瞼の皮膚の引き締め治療としてアイコンという
光/レーザー治療機によるフラクショナルレーザーで結果を出してきました。

さらに今年2019年10月にはフォトナ社のレーザー「SPダイナミス」を導入し、
目袋に対して下瞼の裏側からのレーザー照射により脂肪組織を引き締めて
たるみを取るという治療が可能となりました。



※上がスロベニア最大の企業フォトナ社のレーザーSPダイナミス。
フォトナのレーザーのラインナップ中では最上位機種であり実勢価格約2000万円。


もちろんこれらはハムラ法手術と同等ほどの効果が得られる訳ではありませんが、
外側と内側から挟み撃ちのような形で、瞼の皮膚と皮下組織の若返りの治療が
行えるようになったという点が大きいです。

手術に踏み切る勇気はまだないけれども、
下瞼のくまやしわ、たるみ、目袋が気になる方にとっては
また一つ新たな治療の選択肢が増えたと言って良いでしょう。

気になる方は是非当院へご相談ください。
下瞼のたるみ取り・ハムラ法の詳細はこちらです。

<本ブログの症例に関する情報>

治療名:下瞼たるみ取りハムラ法手術 費用:330,000円(税込)
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、傷跡、下瞼の外反、目周りの皮膚のツッパリ、感染等
施術内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ

監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士