レーザーや外用治療では治せない深いニキビ跡の
凹凸に対する最終手段がアブレージョン治療です

アブレージョンとは、ニキビ跡の凹凸に対する外科的治療です。
今までにレーザー治療や塗り薬などの外用治療によって期待したような効果が得られていないケースにご提案出来る、ニキビ跡治療の最終的手段と言えます。現存するもののうち最も効果の高い治療法であり、わずか1回の施術でも効果が実感出来ます。
アブレージョンという名前は、英語の「すり減らす」を意味するabrade(アブレイド)の名詞形abrasionがその名の由来であり、先端にダイヤモンドのヤスリの着いたローターを高速回転させる機械を用いて皮膚の表面を繰り返し繰り返し、薄く少しずつ削り取っていきます。(削りの深さは真皮浅層から中層あたりまで)
この施術に用いる器械自体、所有しているクリニックは現在ではかなり珍しく希少性の高い治療機です。それゆえアブレージョン施術を治療メニューとして行っているクリニックも、当然都内ではほとんどないような状況です。
当院のニキビ跡治療においては、浅い凹凸の場合はトレチノイン(ビタミンA)の外用とフラクショナルレーザー(Lux 1540 もしくはピコシュアによるピコフラクショナル)を行うことが多いですが、いわゆる「アイスピック・スカー」「ボックスカー」と呼ばれるような深いクレーター状に掘れたニキビ跡で、皮膚が長年のニキビによる炎症が原因で硬く硬化してしまった状態に対しては、これら外科的侵襲を伴わない保存的治療ではおのずと効果には限界があります。
アブレージョンによるニキビ跡治療の最大のメリットは、上記のような治療の難しい深い凹みに対し、1回の治療で確実な効果が出せる点ですが、逆にデメリットとしては皮膚を削った箇所の傷が擦り傷状の生傷となるため、まずはその傷が治癒し上皮化が完了するまでに1週間ほどを要する点といえるでしょう。さらにその部分にガーゼやサランラップなどの保護材を貼る必要もあります。
また、傷が皮膚で覆われた後も数ヶ月はうっすらと赤みが残り、これが目立たなくなるにはしばしの時間を要します。女性ですと化粧でカバーが出来ますが男性の場合は、コンシーラーなどを用いて隠さないと目立つ場合もあります。また、治癒したばかりの皮膚に強い紫外線が当たると色素沈着が残る可能性もありますので、しっかりと日焼け止めを塗り紫外線対策をする必要があります。
しかしながら、その効果の高さからもしダウンタイムの期間さえ取ることが出来るのであれば、ニキビ跡の凹凸治療の選択肢として、アブレージョン治療に勝るものはもはやないという点が重要なポイントです。