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下向きの鼻を調整する(鼻尖挙上手術の修正)

2019年02月13日(水) | カテゴリ: 美容外科, 鼻整形
鼻尖挙上という鼻の手術があります。
前から見て鼻先が下に垂れて「下向き矢印↓」のような鼻の先を上向きにするという手術です。
今回は、鼻先が下を向きすぎているので上向きにして欲しいというご要望で来院された51歳の女性です。

 


実際に横方向からみると、
いわゆる典型的な西洋の魔女の絵のように極端に鼻先が下方に垂れている訳ではないことが分かります。
日本人の場合、鼻先自体が下方に極端に垂れている人というのは希であり、
下方に突出しているのは鼻先(鼻尖)ではなくむしろ鼻柱の部分であるということが多いです。

当院に来られる患者さんでも、魔女鼻を改善したいと仰る方の多くがこのタイプの形状です。
そのためこのような鼻を私は、「鼻柱下垂」と呼んで、純粋な「鼻尖下垂」とは区別して扱っています。

そのような考えのもと、
治療法としては鼻中隔の粘膜軟骨切除や、鼻翼軟骨の内側脚を縫合により奥に引っ込めることで
鼻柱の下方への突出をストレートにするということを行う事が多いのですが、
これらの方法では希に「後戻り現象」、つまり術前の元の状態に戻ってしまうことがあります。

我々人間の体というのは例えると形状記憶合金のようなもので、
組織がもとの形を憶えていて元の状態に戻ろうとする作用が働くことがしばしばあるのです。

上記の患者さんも、鼻翼軟骨の内側脚部分を糸によって縫合し上方に引き上げることで
術直後は鼻柱を横から見て完全にストレートにすることが出来たのですが、
その後2ヶ月ほどしてほぼ元の状態に戻るという「後戻り現象」が見られました。

そこで、修正手術として鼻柱切開ありのオープンアプローチにより、
鼻翼軟骨の外側脚と外側鼻軟骨を縫合し、鼻翼軟骨全体を引き上げてリフトアップすることで
鼻尖を持ち上げつつ、かつ鼻中隔部分の粘膜と軟骨を切除するという方法を組み合わせて、
後戻りを防ぐ対策としました。より確実な方法での修正手術と言えます。


  




上が術後6ヶ月目の正面と横方向から見た状態です。
半年経過した現在も後戻りは見られていないため、このままの状態を維持し続けるのではないかと予測します。
但しこの方法は、最初に行った方法よりも皮下の剥離範囲が大きくなるため、
腫れ、内出血などのダウンタイムが長くなり、またギプス固定が必要などのデメリットがあると言えます。

より低侵襲でダウンタイムが少なくギプスも不要という意味では、
鼻翼軟骨の内側脚回りを操作するだけのシンプルな方法にメリットがありますが、
こちらは上で述べたように後戻りのリスクがゼロではなく、
それぞれの方法の長所短所をふまえた上で手術方法を選択されることをお勧めします。

当院の鼻柱挙上術(鼻柱の改善)の詳細はこちら
当院の鼻尖挙上術(魔女鼻の改善)の詳細はこちら

<本ブログの症例に関する情報>

治療名:鼻尖挙上術(鼻柱挙上術) 
費用:220,000円(クローズアプローチ)、330,000円(オープンアプローチ)
治療に伴う可能性のあるリスク・副作用:腫れ、内出血、左右の非対称性、傷跡、皮膚壊死、皮膚面の凹凸、後戻りなど
施術内容に関する問い合わせ先:お問い合わせフォームからどうぞ

監修者情報
美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。
免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士