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鼻の名称・形・種類とその治療法について(だんご鼻・あぐら鼻など)
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鼻の名称・形・種類とその治療法について(だんご鼻・あぐら鼻など)

鼻の整形においては、医学的に正式な名称ではないにもかかわらず、広く一般に知れ渡っている名称・俗称をもとにリクエストを頂くことが多い施術です。 「だんご鼻」「あぐら鼻な」どの比較的よく使用されるものから「箱鼻(はこばな)」「矢印鼻」「割れ目鼻」といった多少マニアックなものまで、鼻に関連したものには実に様々な名称があるため、今回は「鼻の俗称」と「その形状(どんな形の鼻をしているのか)」、そして「改善に適した施術法」についてまとめてみようと思います。 ご自身の気になる鼻の悩みがどの俗称に相当するのか、聞いたこともない医学用語で調べるよりはるかにわかりやすいでしょうし、イメージがつかみやすいのではないかと思います。

ちなみに鼻の形を表す言葉が他の部位よりも大変多い理由としては、病気ではなく整容的な問題・美容上の悩みのため、その形を表現する適切な医学用語自体がほぼ存在しないがゆえに、ここまで多様化されたのではないかと考えています。

※ここではよく言われる鼻の名称を「俗称」(一般名・通称)と「医学用語」に分類して解説します。

※それぞれの治療法の詳細についてはリンク先の施術ページをご参照ください。

※本ページにおける民族名および国名を冠する鼻は、あくまで以前からある「既成概念」に沿った俗称でありイメージです。実際に鼻の形は同じ民族であってもかなりの多様性がありますので、その点について誤解のないよう念のため記しておきます。

それでは、比較的日常診療において相談頻度の高いものから順に解説してきます。

目次

鼻の俗称(一般名・通称)

だんご鼻(団子鼻)

「だんご鼻」とは、鼻先付近が太い状態を言います。
「だんご鼻」は、鼻整形を検討される患者様において最も件数が多いご相談内容です。この言葉はすでに一般に広く浸透しているのでイメージはしやすいかと思いますが、鼻先(鼻尖)付近が太くなっている状態を言います。

だんご鼻
鼻先が太い状態=だんご鼻

ここでポイントになるのは、「だんご鼻」という場合は鼻先(=鼻の中心部付近のみ)が太い状態を言い、鼻翼(小鼻)は入らないという点です。実際に患者様が「だんご鼻を治したい」としてご来院された中には、鼻先ではなく小鼻(鼻翼)が大きく横に張り出しているケースも多くみられ、これは割とありがちな「だんご鼻」へ対する誤解のようです。

美容外科では鼻先(鼻尖)と小鼻(鼻翼)を完全に別々のパーツとして捉えているため、太い部分が鼻先なのか小鼻なのかによって施術法は全く別ものになります。

鼻先(鼻尖)と小鼻(鼻翼)の違い
鼻先(鼻尖)と小鼻(鼻翼)の違い

なお上記については逆のケースもよくあります。「小鼻を小さくして欲しい」としてきた患者様が、よくよく話を聞くと、小鼻(鼻翼)ではなく鼻先(鼻尖)の太さで悩まれているということも多いです。小鼻(鼻翼)の張り出し・厚みが大きい場合は「だんご鼻」ではなく「あぐら鼻」と言い、また鼻先(鼻尖)と小鼻(鼻翼)の両方が大きい状態は「にんにく鼻」と言いますが、いずれも別項で解説していきます。

「だんご鼻」と呼ばれる状態(=鼻先(鼻尖)の太さ、厚み)を解消する際には、鼻尖縮小(鼻尖形成・鼻尖修正)術、もしくは鼻尖縮小術に鼻中隔延長術を組み合わせる施術を行います。鼻先をより細くすっきりさせるために、鼻柱を下方にほんの少し出す鼻柱延長(鼻橋部耳介軟骨移植術)という手技を加えることもありますが、あくまでメインは鼻尖縮小術と鼻中隔延長術で、鼻柱延長はそれを補助する役割となります。

あぐら鼻、獅子鼻(しし鼻)

「あぐら鼻」「獅子鼻(しし鼻)」とは、小鼻(鼻翼)が外側に張り出している状態を言います。
人があぐらをかいている姿に似ていることから「あぐら鼻」と呼ばれ、またライオンの鼻のように小鼻(鼻翼)部分が横方向に大きく広がっていることから「獅子鼻」と言われます。

あぐら鼻
小鼻が外に張り出している状態=あぐら鼻

「あぐら鼻」「獅子鼻」は、小鼻縮小術(鼻翼縮小術)を行うことで小鼻(鼻翼)が横に広がった状態を解消することが出来ます。
なお、一般的に「あぐら鼻」「しし鼻」と呼ばれる状態の場合は小鼻(鼻翼)が離れていることが多いですが、鼻の穴自体が横に広がっている際にも同じような形になります。このような際にも小鼻縮小術(鼻翼縮小術)が適応となり、横に広がった鼻の穴を縮めて目立たなくすることが可能です。鼻の穴が横方向ではなく縦方向に切り立って目立っている場合には、鼻孔縁下降術によって鼻のヘリ(キワ)の位置を下方に下げます。

また、小鼻(鼻翼)の皮膚組織に厚みがある際にも、小鼻(鼻翼)を小さくしたいというご相談をいただくことがあります。この場合は小鼻から小鼻までの横幅は正常(広がっていない)ですが、皮膚の厚みによって小鼻のフチが横に広がって見えることが原因のため、小鼻縮小術ではなく鼻孔縁外側皮膚切除術(鼻翼厚み除去術)が適応となります。

小鼻(鼻翼)の皮膚に厚みがある状態
小鼻(鼻翼)の皮膚に厚みがある状態

ぶた鼻

「ぶた鼻」は、鼻先が上を向いている状態を言います。さらに鼻が上を向いているのとあわせて、鼻の上下長が足りないことによって鼻の穴が前から見て縦方向に長く目立ってしまいます。

ぶた鼻
鼻先が上を向き、鼻の穴が縦方向に長い=ぶた鼻

「ぶた鼻」は、医学用語で言う「短鼻」という状態です。鼻中隔延長術で鼻先を下方向に下げることで上下の長さをかせぎつつ、患者様の鼻の状態にあわせて、鼻の穴の上下長を短縮する鼻孔縁下降術を同時に行うこともあります。

鷲鼻(わしばな)

「鷲鼻(わしばな)」は鼻背部分が非常に高く、かつ横から見て鼻スジが前方に張り出している状態です。

鷲鼻
鼻背が前方へ張り出している=鷲鼻

次に述べる「かぎ鼻(鉤鼻)」、「段鼻(だんばな)」と「鷲鼻」の違いは、緩やかな曲線カーブを描いて前方に突出しているのが、「鷲鼻」です。横から見た鼻のラインが、鷲のクチバシの形状に似ているためにこの名があります。
「鷲鼻」は、ハンプ除去手術によって前方に出過ぎた骨と軟骨を除去し、横から見てストレートないしは凹面のカーブ(滑り台のような)を作ることでラインを整えます。そして「鷲鼻」の場合、あわせて鼻先が下方を向いて垂れているケースが多いため、鼻スジだけでなく鼻先にも操作を加えることでより全体的に整った鼻のラインに変えてゆきます。

かぎ鼻(鉤鼻)、段鼻(だんばな)、波状鼻、凸鼻、帝王鼻

これらは「鷲鼻」の亜型とも言える状態で、「鷲鼻」同様に鼻スジ部分が前方に突出していますが、横から見たときに鼻スジが滑らかな曲線ではなく、出っ張った部分が角ばって目立つ際に「かぎ鼻」「段鼻」などと呼ばれます。

かぎ鼻
鼻スジが角ばって突出している=かぎ鼻

男性の場合は、とらえ方によっては「威厳がある」「力強く見える」といったメリットになることもありますが、女性の場合はあまりないほうが一般的には美しいと言えるでしょう。女性においては鼻背のラインはやや滑り台型の凹面のカーブか、もしくはまっすぐストレートの状態になっているほうが美容外科的には美しい鼻の定義にあてはまります。とはいえもちろん、このような鼻スジが好きという方も必ずいますので、一概に悪いものとは決して言えません。「かぎ鼻」「段鼻」などの治療は、鼻同様にハンプ除去手術で出っ張り部分の鼻骨と外側鼻軟骨を除去します。

※上のイラストは、分かり安くするためデフォルメして書いてありますが、あくまで程度の問題であり、極端でなければ、むしろこういった「うねり感」があるのを好ましいと感じ、あえて修正を勧めない美容外科医もいるようです。

魔女鼻・垂れ鼻

「魔女鼻」は、鼻先が下方に垂れている状態の鼻を言います。その形状から「垂れ鼻」と言われることもあります。「魔女鼻」の場合は年齢よりも老けているような印象を与えることが多いです。

魔女鼻
鼻先が下方向に垂れている=魔女鼻

これは「千と千尋の神隠し」にでてくる湯婆婆のイメージです。昔から魔女をイラストで描く場合には、この鼻を定番で書くことが多いため「魔女鼻」の呼び名が定着しました。
鼻先は、垂れていないほうが間違いなく若々しく、かつ女性らしい雰囲気になります。とくに最近の若い女性の好みは「ツン」として尖り感のある鼻で、いわゆる軽く「アップノーズ」気味が流行っていますので、患者様のリクエストに応じて実際の手術でもそのように仕上げることが多いです。(ただし、元から鼻先が上を向き過ぎた「ぶた鼻」と言われる鼻を修正する際には、逆に魔女鼻に見えるくらい下方に鼻先を思い切り下げて向けて欲しいというリクエストを頂くこともあります)

下に垂れた鼻先を上げるには鼻尖挙上術が一般的ですが、鼻尖挙上術を行うことで鼻先がわずかに低くなることがあるため、このような際には鼻中隔延長術を合わせて行い鼻先の長さをリカバーすると、より美しい仕上がりになります。

なお、一見鼻先に垂れ感があったとしても、横から見てみると実は鼻先ではなく鼻柱部分が下方に突出している例もかなり見受けます。

鼻柱部分が下方に突出している状態
鼻柱部分が下方に突出している状態

この場合は鼻尖挙上術ではなく、鼻柱部分を上方に引き上げる鼻柱挙上術が正しい選択となります。クリニックによっては鼻柱挙上と鼻尖挙上をあまり厳密には区別せず、まとめて「垂れ鼻整形」、「魔女鼻整形」のように呼んでいる所もあります。

にんにく鼻

「にんにく鼻」も、広く一般に使われている鼻の形を示す言葉として定着しています。鼻先(鼻尖)が太く、さらに小鼻(鼻翼)も横方向へボリュームがあり、鼻先付近全体が大きい状態を言います。(その反対が「忘れ鼻」、つまり存在感のない鼻です)

にんにく鼻
鼻先・小鼻ともに大きい状態=にんにく鼻

上の図に示したように、「だんご鼻」(鼻先)+「あぐら鼻」(小鼻)の二つがあわさると「にんにく鼻」ということになりますので、「だんご鼻」(鼻先)に対しては鼻先縮小術 (鼻尖形成・鼻尖修正)+ 鼻中隔延長 を行い、「あぐら鼻」(小鼻)に対しては小鼻縮小(鼻翼縮小)を行うことで、鼻先全体がボリュームダウンしてより小さく見えるように仕上げます。

ぺちゃ鼻(鼻ぺちゃ)、のっぺり鼻

「ぺちゃ鼻(鼻ぺちゃ)」、「のっぺり鼻」は低い鼻や小さい鼻の総称です。
鼻根~鼻スジ~鼻先にかけて、上から下まで全体的に低い場合に用いられます。鼻先については「にんにく鼻」と完全に逆のイメージです。
鼻が小さくて低いと顔にメリハリがつかない上に、顔の余白部分が大きくなり横に広がって見えてしまうことがあります。そのため低い鼻を改善する際に、鼻スジ・鼻先を少ししっかり目に仕上げると小顔効果も同時に得ることができます。

ぺちゃ鼻
鼻先も鼻スジも低い状態=ぺちゃ鼻

鼻スジが低く、鼻先だけ高い状態の人は実際にはほぼいませんので、「ぺちゃ鼻(鼻ぺちゃ)」、「のっぺり鼻」の治療をする場合は、鼻スジと鼻先の両方へアプローチすることになります。

鼻スジは、鼻プロテーゼやヒアルロン酸注入、もしくは肋軟骨移植、耳介軟骨移植、筋膜移植、真皮脂肪移植などの施術によって高さを出し、さらに鼻先については鼻中隔延長術を行います。
鼻先に高さを出す施術には、鼻中隔延長術の他に耳介軟骨移植術もありますが、鼻が小さい人の場合、鼻先の形を作る際に使用する皮膚にあまり余裕(キャパシティ)がないため、耳介軟骨を束ねて鼻先の皮下に挿入する耳介軟骨移植術では変化を出しづらいケースが多いです。そのため、「ぺちゃ鼻(鼻ぺちゃ)」、「のっぺり鼻」の場合は鼻中隔延長術がベストの選択肢となります。

ギリシャ鼻・直鼻

「ギリシャ鼻」「直鼻」は、横から見た時に鼻根(目と目の間)における凹面のカーブが一切なく、額から鼻がまっすぐにつながっており、そのまま鼻先まで直線を描くような鼻を指します。

ギリシャ鼻
鼻根にカーブがなく直線的=ギリシャ鼻

ミロのヴィーナスのようなギリシャ彫刻を見ればわかるように、額の高さと鼻根の高さに段差が一切ない鼻です。 日本人で元からこの彫りの深さの鼻はまずあり得ないので、美容外科でプロテーゼを入れた際に、眉間付近の高さまで骨膜下剥離を行って鼻スジを高くした場合に、結果として「ギリシャ鼻」になってしまったというケースがあり得ます。
その昔、日本のバブル期にはこのような彫りが深くて濃い顔がもてはやされたため、額からまっすぐに生えたようなラインにする鼻の施術が多くの美容外科で行われましたが、最近は美容外科治療もナチュラル指向へとシフトしたこともあり、鼻根部については適度な凹面のカーブが欲しいというリクエストのほうが圧倒的に多いです。
中には、今も「ギリシャ鼻が良い鼻である」というコンセプトでプロテーゼ手術を行っているクリニックもあります。ハーフタレント並みの彫りの深さや立体感のある鼻をご希望でしたら、このようなクリニックで意図的にギリシャ鼻風とするのもありでしょう。逆に「ギリシャ鼻」のようにしたくないのであれば、骨膜の剥離範囲を眉間の手前、鼻根の最深部付近でとどめておきます。
ちなみに、よくプロテーゼ手術を受ける患者様から、「モアイみたいにはなりたくないです」と術前に念をおされることがあります。要は、「ギリシャ鼻はNG」という意味なのでしょう。
しかし実際には、モアイ像の写真もよく見ると鼻根にへこみがあるものが多いです。これも何となく、モアイ像は額から段差なく鼻スジが伸びているというイメージから来る誤解なのだと思います。

ローマ鼻・ミラノ鼻・とがり鼻・帝王鼻

「ギリシャ鼻」と「ローマ鼻」、イメージとしてはなんとなく似た感じがしますが、実は結構違います。
「ギリシャ鼻」が目頭の高さ(鼻根)部に凹面のカーブ(くぼみ)がないのに対し、「ローマ鼻」「ミラノ鼻」ではこの部分に凹面のカーブがしっかりと存在します。その堂々とした形から「帝王鼻」と呼ばれることもあります。

ローマ鼻
ギリシャ鼻と異なり、鼻根に凸凹がある=ローマ鼻

「ローマ鼻」「ミラノ鼻」も「ギリシャ鼻」同様に、鼻スジが高くて鼻先までストレートなラインなのですが、鼻背の高さと鼻根の高さの段差によっては、マイルドな「かぎ鼻」の要素を含んでいるといえます。そのため「かぎ鼻」も、場合によっては「帝王鼻」と呼ばれることがあります。

「ローマ鼻」「ミラノ鼻」は、美容外科的に見ると全く悪い形の鼻ではないので、あまり治すところがありませが、特に女性の場合、患者様の希望によっては「かぎ鼻」のように見える段差を修正するハンプ除去(鼻骨骨削り)を行うか、高すぎる鼻スジを低くする施術(低鼻術)を行うことがあります。

ユダヤ鼻

こちらは、「かぎ鼻」と「魔女鼻」が合わさったイメージの鼻です。それぞれ既出の項目をご参照ください。 ユダヤと言えば、昔から鼻の作りがしっかりしている印象も確かにありますが、実際に現代のユダヤの方たちを見ると、かなり誇張されたステレオタイプであることが分かります。

*注記:本ページにおける民族名および国名を冠する鼻は、あくまで以前からある「既成概念」に沿った俗称でありイメージです。実際に鼻の形は同じ民族であってもかなりの多様性がありますので、その点について誤解のないよう念のため記しておきます。

忘れ鼻

「忘れ鼻」は、「にんにく鼻」や「鷲鼻」のように大きすぎたり高すぎたりしない、あまり存在を主張しすぎない、あっさりした鼻のことを言います。他の鼻を表す言葉と少し異なり、「忘れ鼻」と言われる鼻にはむしろ良い意味があると言えるでしょう。
実際の診察でも、忘れ鼻を治してインパクトのある目立つ鼻にしたいというリクエストを頂くことはほぼありません。逆に「だんご鼻」や「獅子鼻」「鷲鼻」といった部分的にボリューム過多の鼻において、主張の強い箇所を修正しながら、出来るだけこじんまりとした方向に寄せてゆくのが、「忘れ鼻整形」ということになります。

箱鼻(Boxy tip)

「箱鼻」は、鼻先の特徴を表した言葉です。「箱型の鼻先」ですから、その名前の通り鼻先がボックス型になっている状態で、「だんご鼻」の一亜型と言えます。鼻翼軟骨が発達しすぎたことで鼻先が左右に角張った感じとなり、かつ鼻翼軟骨の内側脚が開いてしまった状態です。「だんご鼻」は鼻先が太くて丸いのに対して、「箱鼻」は同じく鼻先は太いのですが、四角く角張った感じです。

箱鼻
鼻先が箱のように四角い状態=箱鼻

箱鼻の特長として、皮膚が薄く、かつ鼻翼軟骨の折り返し部分(中間脚)が突出して内側から皮膚を押しているため、この部分の軟骨を切除して滑らかにしつつ、鼻先縮小(鼻尖形成、鼻尖修正)術を行います。また鼻先のフラットな部分に対しては鼻中隔延長術を組み合わせて、中央部分を前方に出し鼻先を細く見せます。

割れ目鼻(割れ鼻)

「割れ目鼻(割れ鼻)」は日本人では珍しい形状の鼻ですが、鼻翼軟骨が発達していて、かつ皮膚の薄い方の場合に鼻柱部に細長い溝(columellar groove/鼻柱溝)が生じている状態を言います。

割れ目鼻
鼻柱部に細い溝がある状態=割れ目鼻

「割れ目鼻」を改善する施術としては、単純に鼻翼軟骨の内側脚部分を左右から糸で寄せるだけでも良いですが、より確実に行うなら、内側脚にサンドイッチさせるように縦に耳介軟骨を挟んで固定するか、あるいは内側脚部分で鼻柱全体にわたって長方形に切り出した耳介軟骨を貼り付けて溝を消すという方法もあります。このような「割れ目鼻」を改善する施術を、当院では「鼻柱溝修正」と呼んでいます。

鼻の話から少し脱線しますが、このような「割れ目」のあご(顎)バージョンが、「割れ顎(けつ顎)」です。あご(顎)の割れ目についても、見た目が嫌なので治して欲しいというリクエストがある一方で、逆にこのような割れ目をしっかり作って欲しいというマニアックな要望もあります。これは鼻についても同様で、女優やタレント、また海外俳優においてこのような特徴的な鼻の方がいるため、自分も同じように鼻柱が割れた鼻にしたいとうご要望をいただくことがあります。このような鼻柱に縦の溝を新たに作る手術は「鼻柱溝形成」として行っております。

酒焼け鼻・赤鼻

「酒焼け鼻」「赤鼻」はそれぞれ英語でDrinker’s nose、Red noseと言い、酒皶(しゅさ)という皮膚の疾患によるものです。鼻先からTゾーンにかけて皮膚が赤みを帯び、脂腺が増殖することで鼻先が太くなり、表面に凹凸が生じます。

酒焼け鼻
鼻が赤みを帯び、鼻先が太い=酒焼け鼻

酒皶(しゅさ)の原因はいまだに不明ですが、治療として当院では内服とレーザー照射を行っています。この症状に対応する鼻の手術を当院では行っていませんが、レーザー治療を行うことで脂腺の増殖が抑えられ、幾分鼻先のボリューム感を減らすことが可能です。治療前よりは鼻先の凹凸感、赤みも減らすことができるので、鼻の赤みや大きさが気になる際にはご相談ください。

反り鼻(そりばな)・虹梁鼻(こうりょうばな)・アップノーズ

「反り鼻」とは、横から見た際に鼻背が反り返っている状態のことで、「アップノーズ」とも呼ばれます。

反り鼻
鼻背が反り返っている=反り鼻

最近は、鼻先の整形をする際に「アップノーズ気味に作って欲しい」というリクエストをいただくことも多いですが、とはいえ鼻先があまりに上を向いていると、鼻の穴が正面から見た時に目立ってしまったり、「ぶた鼻」のように見えることもあるため、鼻先をむしろ下げて欲しいという逆のご要望をいただくこともあります。

ここで注意したいのは「ぶた鼻」と「アップノーズ」では、同じ鼻先が上向きという状態を指してもそのニュアンスがかなり違うということです。比較すると「鼻先の高さ」によってイメージがだいぶ変わってくるかと思います。

  • アップノーズ:鼻先はやや上向きだが、十分に鼻先の高さもあるため若々しく可愛らしく見える。「ツンと上を向いた鼻」などと呼ばれる。
    →ポジティブなイメージを多分に含む。
  • 豚鼻:鼻先はやや上向きだが、鼻先に高さがないため前から見たときの鼻の穴がかなり目立つ。
    →ネガティブなイメージを含む。

「アップノーズ」なら必ずしも悪い鼻とは言えないと思いますが、ご要望に応じて鼻尖下降術などによって鼻先を下げることも出来ます。また、鼻スジの反り感を軽減するなら鼻スジに鼻プロテーゼを入れたり、ヒアルロン酸注入を行うなどでストレート気味にすることが可能です。

矢印鼻

「矢印鼻」は、正面から見たときに、鼻尖もしくは鼻柱部分がしっかりと下方に突出しており、まるで下向きの矢印のような状態の鼻を言います。

矢印鼻
鼻尖もしくは鼻柱が下方に出ている状態=矢印鼻

「矢印鼻」に見える原因は、以下の図のごとく主に3つに分けられます。

矢印鼻は垂れさがっている部分によって原因・治療法が異なる
矢印鼻は垂れさがっている部分によって原因・治療法が異なる

改善する施術についてもそれぞれの原因にあわせた技法を行う必要があります。

この際、鼻尖挙上術で鼻先を上に向けるともともとの鼻の形状によっては上に向けた分だけ鼻先が低くなってしまうことがあるので、その場合は鼻中隔延長術か鼻先の耳介軟骨移植術を行うことを推奨しています。
なお「矢印鼻」は、「意志が強そう」「自信に満ちていそう」「仕事が出来そう」などのポジティブな印象を与えることも多いため、男性はもちろん女性においても、むしろそのままでも良いケースもあるのかもしれません。

アバター鼻

「アバター鼻」はその名の通り、映画「アバター」に登場するキャラクターのように鼻スジが横に広がった状態のことを言います。ヒアルロン酸注入や脂肪移植などの柔らかい素材で鼻スジを無理に高くし過ぎることで、鼻スジが横方向に広がってしまった状態です。

アバター鼻
鼻根から鼻背の幅が不自然に広い=アバター鼻

手術によって鼻スジを高くすればこのような状態になることはまずありませんが、まれに腸骨や肋軟骨など自家組織を使用した場合、素材の加工過程において移植片の両サイドの削りが甘いと太い鼻に仕上がることがあります。

しかしそれよりも一番ありうるのは、やはりヒアルロン酸の入れすぎによるケースです。ヒアルロン酸注入を検討される患者様からも「アバターみたいな顔になったりしませんか?」という心配の声をよく聞くことがあります。これはヒアルロン酸を入れ過ぎさえしなければ、決してそのようになることはありません。

ヒアルロン酸の入れすぎについては、イラストで表現するのが若干難しいので下記もご参照ください。

高さは同じでもサイドの状態でイメージは全く異なる
高さは同じでもサイドの状態でイメージは全く異なる

上は、鼻を横に切った断面のイメージ図です。二つとも鼻の高さ自体は同じなのですが、サイドにふくらみがあるのと無いのとでは見栄えがまるで違います。尾根部分がある上のイラストのほうが、いわゆる「鼻スジが通っている」という表現にふさわしい鼻に見えるのではないでしょうか。

このように、鼻スジをほっそりと高い状態にする際には注入術を無理に入れすぎないことがポイントですが、よりシャープさを出したいなら、注入物よりも固形物であるシリコンプロテーゼ挿入がベストの選択です。逆にあまりシャープさをむしろ出したくないなら、ヒアルロン酸注入、脂肪注入、真皮脂肪移植などのソフトな素材が向いています。

鼻の形を表す医学用語

ここからは、医学用語としての鼻の形態を表す言葉について解説します。上に挙げた鼻の俗称と比べるとあまり聞き慣れない言葉かと思いますが、カウンセリングを担当する医師とのコミュニケーションを取る上で知っておくと、スムーズにいくかもしれません。

鞍鼻(あんび)

「鞍鼻(あんび)」は、主に鼻スジ部分(鼻背)が低い場合に使われる表現です。

鞍鼻
鼻スジ部分に高さがない状態=鞍鼻

名前の由来は乗馬用の鞍(くら)から来ており、中央部が低く両端が高い鞍の形と同じように、鼻先と前額に挟まれた部分に高さがなく、平らもしくは陥没して見える状態のことを言います。

「鞍鼻(あんび)」については鼻スジ部分を高くすることで改善することができます。施術法は様々で、シリコンプロテーゼ挿入ヒアルロン酸注入、脂肪注入、肋軟骨移植、腸骨移植、真皮脂肪移植、人工骨移植、人工骨注入、耳介軟骨移植、筋膜移植などがあります。

短鼻(たんび)

「短鼻」は鼻の俗称で言うところの「ぶた鼻」とほぼ同じ状態を言い、特に「ぶた鼻」によって鼻の上下長が不足していることを意味します。施術法などについては「ぶた鼻」の項をご参照ください。

広鼻(こうび)

「広鼻」は、鼻スジの幅が広い鼻の状態を言います。鼻スジが太く見えるので細くしたいという要望がある場合に使われる言葉です。圧倒的に女性の患者様からのご要望が多いですが、男性からのリクエストもしばしばあります。

広鼻
鼻スジが太い状態=広鼻

「広鼻」については、鼻骨骨切り術で両外側の骨と中央のラインをノミとハンマーで切除し中央に寄せるのが一般的です。ただしこの手術法はかなり長いダウンタイムを必要とする上に、寄せた骨をワイヤーやプレートなどで固定している訳ではないために、しばしば狙った効果が得られなかったり、術後に後戻り現象が見られるという欠点があります。そのため当院では、鼻骨を切る骨切り術ではなく、鼻骨外側部の出っ張りを削り取ることで鼻スジの幅を狭くするという鼻骨骨削り術を推奨しています。後戻りがなく、確実に鼻スジを細く出来るからです。

斜鼻(しゃび)

「斜鼻」は、鼻のいずれかの部位は曲がっている状態全般を指します。
斜めになっている部分にはあらゆるパターンが想定されますが、鼻スジが「くの字」に曲がっているようなケースは比較的治しやすいですが、眉間の出発点(鼻の上部)と鼻先(鼻の下部)の縦位置が左右にずれているようなタイプだと、手術でも改善することが難しいことがあります。

斜鼻
鼻のいずれかの部位が曲がっている状態=斜鼻

「斜鼻」の改善には斜鼻修正術が適応となりますが、その方法は症状によって様々で、単純に突出部の鼻骨を削り取って終わるものから、鼻骨骨切りが必要なものや外側鼻軟骨、鼻翼軟骨といった軟骨パーツにも操作を加えるもの、また耳介軟骨移植を組み合わせて行う方法などもあります。 斜鼻修正術という決まった定型的な手技がある訳ではないので、一人ひとりの鼻の状態にあわせた治療計画を術前に入念に立てつつ、さらに手術中にも切開後の組織や骨の状態を確認しながらアドリブ(即興)で操作を加えてゆくことが必要になります。まさに術者の判断力や経験値、さらに即興性を試される手術であり、ケースによっては非常に難易度が高いものとなります。

低鼻(ていび)

呼んで字のごとく、低い鼻全般を漠然と指し示す言葉です。
「低鼻形成」「低鼻術」といった場合は、高すぎる鼻スジを低くする手術のことを指すのが一般的です。海外、特に欧米において多く行われている手術です。日本でいうところの「鼻ぺちゃ(ぺちゃ鼻)」に近い状態であると言えるでしょう。

鼻の俗称をまとめているサイトがなかなか見当たらなかったので、今回はイラスト付きで解説してみました。鼻には様々な俗称があり、それぞれ少しずつ異なった形状を指していることがお分かりになりましたでしょうか。「自分の鼻がどれに当てはまるのかわからない」「どの施術が適しているか見てほしい」という際には、お気軽に当院までご相談ください。

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Doctor

院長・監修者情報

みずほクリニック 院長 小松磨史(こまつ きよし) 美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長

札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。免許・資格:日本形成外科学会・認定専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士 医師紹介はこちら

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