鼻骨骨切り術は、「太い鼻すじを細く見せる」
「曲がった鼻すじをまっすぐにする」など、
鼻すじの形状を変えて鼻のラインを整える手術法です。
鼻すじを構成するフレームは、主に鼻骨と外側鼻軟骨からなります。
これらの構造物に手を加えることにより、
1. 鼻すじを細く見せる。
2. 鼻すじを太く見せる。
3. 曲がった鼻すじをまっすぐに見せる
などの効果を期待出来ます。
鼻骨に対しては、鼻孔内から鼻専用のノミを挿入し、鼻骨の両外側に骨切りを行います。鼻骨の屋根状の構造を左右から絞りこめば鼻すじを細く見せることが出来ますし、逆に左右に広げれば、鼻すじを太く見せることも出来ます。
また、鼻すじは鼻骨だけでなく外側鼻軟骨からも構成されるため、軟骨部分を糸による縫合で左右から絞りこむことでも細く見せることも出来ます。逆に左右の外側鼻軟骨の間に耳などからの移植軟骨を挿入することで幅を広く見せることも可能です。
さらに、鼻すじの鼻骨に相当する部位が左右どちらか一方に傾いていることで鼻すじが曲がって見える、いわゆる斜鼻の場合、同様な方法で鼻骨に骨切りを行った後に、鼻骨の尾根の部分を左右どちらかに倒すことで鼻すじをまっすぐに矯正することも可能です。
麻酔は、局所麻酔のみでも行えますが、静脈麻酔(点滴麻酔)で意識レベルを落とし、ほぼ眠った状態としたほうが楽に行える手術です。
本施術は基本的に局所麻酔で行いますが、傷みをできるだけ感じたくないという際には静脈麻酔や全身麻酔で施術を行うことも可能です。静脈麻酔の場合は、手術中に鼻の状態を確認することも可能です。
※「だんご鼻」「あぐら鼻」「にんにく鼻」など、鼻の名称としてよく使われる俗称について、それぞれの特長や治療法についてまとめてみましたので、あわせてこちらもご覧ください。
術前
鼻スジを細くシャープに見せたいとご相談に来られた24歳の女性です。このようなケースでは通常、当院では鼻骨の外側を削って鼻スジを細くする手術(鼻骨骨削り術)を行うこともありますが、より大きな変化を出したい際や、鼻スジをできるだけ細くしたいという際には、鼻骨骨切り・幅寄せ術の併用をお勧めしています。
今回の方は診察の結果、鼻骨骨削り術と鼻骨骨切り・幅寄せ術の両方を行うこととしました。
術後
術後は1か月目の様子です。1か月経過したタイミングで腫れはほぼ完全に引いています。術後の写真では鼻スジが細くシャープになり、鼻全体が術前に比べるとスッキリした印象に変化しているのがお分かりいただけるかと思います。
今回の施術では、鼻骨の外側部を骨ヤスリで削った後に、骨ノミとハンマーで鼻骨を縦方向に3ラインにカットして骨切りを行い、左右から中央方向に寄せています。なお、鼻スジを細く変化させる施術を行った際に、患者様の鼻のもともとの形状によっては相対的に鼻先が太く見えてしまうことが時々あります。このような際には併せて鼻先の縮小術(いわゆる鼻尖形成、鼻尖修正)を行うことで、鼻全体をすっきりとシャープにすることが可能です。