左右差がある目元の改善症例
目元の左右差は、周囲が気にせずとも本人が気にしていることも多く、「二重ラインを作る際に左右差の調整もできないか?」「眼瞼下垂治療とあわせ左右差も改善したい」といった相談を頂くことがあります。
今回は二重埋没法と眼瞼下垂治療によって左右差を改善した症例を2つ紹介します。
目もとに左右差が生じる原因
人間の目は左右対象であるほうがむしろ珍しく、通常は多かれ少なかれ左右差(形の違い)があります。
具体的には以下のようなものがあります。
- 皮膚の厚さ
- 脂肪の厚さ
- 二重のライン
- 目を開く力(開瞼力)
- 下まぶたの瞼縁のラインの形(切れ上がっている、水平、垂れ目など)
- 眼窩を構成する骨格の形
- 眼球の位置(上下方向、左右方向、前後方向)
また目の左右差だけではなく、眉の高さが異なっていることによって目元に左右差が生じて見えることもあります。
なお、上に上げた左右差の原因うち、実際にご相談の件数も多く比較的簡単に治せるものとして「二重埋没法による調整」と「目を開ける力(開瞼力)の強化」があります。
今回はそれぞれの症例について解説します。
※なお、左右差の原因のうち「皮膚の厚さ」、「骨格」、「眼球の位置」については修正することがほぼ困難ですが、「脂肪の厚さ」であれば、5mmの皮膚切開により脂肪を上瞼から抜いて、厚みを軽減してスッキリ見せる「脱脂」という手技があります。
二重埋没法によって左右差を改善する
上は20代の女性です。
もともと両目とも一重まぶたで、以前他院にて埋没法二重をしたことがありますが、右のラインが取れてしまったとのことで来院されました。
今回は右側のみの埋没二重を希望されました。
まぶたの皮膚が厚いタイプなので、通常の1点ずつ何点か留めてゆく方法だと再度外れるであろうことが予測されたため、今回は当院オリジナルの3点連結式(3点スパイラル)の埋没二重を勧めました。
ここで二重埋没法の3点連結式について簡単に説明します。
通常の埋没法の3点留めでは、皮膚に糸を落とした際に「点(1か所)」で留めていきますが、当院オリジナルの3点連結式の場合は「点」ではなく「ライン」を線で固定し、さらに糸と糸を強力にロックすることで強度を強めています。
以下は手術直後の状態です。
通常の埋没法に比べるとわずかなむくみ程度の腫れが生じていますが、メイクで充分カバー出来るレベルです。(メイクは翌日より可能です)
以下は手術後1か月の状態です。
二重ラインの左右差が綺麗に整いました。
実際に患者さんにもバランスの良さに満足して頂きました。
眼瞼下垂治療によって左右差を改善する
次の症例は、二重ラインではなく、「目を開ける力(開瞼力)」を強化することによって目の形そのものを変える手術です。
上は20代の男性です。
左目が右目に対して生まれつき目を開ける力(開瞼力)が弱いため、左右のバランスが悪いことを気にされて来院されました。
実際に写真などで黒目の縦幅を左右で比較すると、左が右に比べて黒目の面積が小さいことが分かります。
ただし今回の方の場合、瞳孔から上瞼のフチまでの距離が充分あるので保険診療の対象となる眼瞼下垂とは言えませんので、自由診療つまり美容目的の治療として眼瞼下垂の切開手術を行いました。
上は手術直後の状態です。
黒目の見えている面積で左右を比較して下さい。
若干の腫れはありますが、既に左の目ヂカラが強化されているのが分かります。
上は術後1か月の状態です。
左右の黒目の見えている面積がほぼ揃い、左右差が大幅に改善しました。
直後外側の上がり方が若干オーバーに見えていたものの、術後1ヶ月程度で自然なカーブに落ち着きました。患者さん的にも結果に満足との言葉を頂きました。
まとめ
今回は「二重埋没法による調整」と「開瞼力強化(眼瞼下垂治療)による調整」についての症例紹介でした。
このように、もともとある左右差の改善はもちろん、二重手術によってできてしまった左右差なども改善することができます。
なお1つ目の「二重埋没法による調整」の場合、今回のような「一重を二重に」という症例に加え、「二重の幅を広げる」ことで左右差を目立たなくするバージョンもあります。
また2つ目の「開瞼力強化による調整」については、若い方の場合は腱膜を短縮しすぎると目が閉じなくなってしまい、目の表面が乾燥するといったトラブルの原因となることもあるため、術中にまぶたの開閉状態を確認した後にやむをえず短縮の糸を外したり緩めたりすることもあります。
そのため若い方にこの手術を行う場合、効果がハッキリと出せるのは90%くらいです。
この場合は、手術中の判断で単純な切開二重術とさせて頂くことも希ですがあります。