プロファイロ(肌再生注射)
プロファイロは、高分子と低分子2種類のヒアルロン酸を特許技術NAHYCO™(ナイコ)によって結合して作られた次世代型ハイブリッド・ヒアルロン酸です。
従来のヒアルロン酸注入・コラーゲン注入によるしわ取り・へこみ改善治療では、加齢による組織のボリュームロスを「注入剤を充填する」ことで、詰め物によって皮膚面を持ち上げてしわ・へこみを改善させるというものが主流でした。
この手法を「第一世代」とすると、近年アラガン社が提唱するように、皮下組織のゆるみに対して粘度の高いヒアルロン酸を皮下に注入し、皮膚を支える組織に支持力を与えることでたるみを下垂方向から重力に抗して上方に引き上げるというコンセプトのヒアルロン酸があります。このような、いわゆる糸リフト(スレッドリフト)に近いリフトアップ効果が期待できるヒアルロン酸とその注入方法は「第二世代」のヒアルロン酸注射による治療法であり、「ヒアルロン酸リフト」などと呼ばれます。
そしてさらにヒアルロン酸注入術の進化版として、皮膚そのものに注射を打ち、自家組織に刺激を与えることで自身の細胞に細胞外マトリクス(細胞外基質)であるヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチンを作らせるという仕組みの「第三世代」といえるヒアルロン酸が注目を集め始めています。この「第三世代」のヒアルロン酸の代表とされるのが、「肌再生注射」or「肌育注射」ともいわれるプロファイロです。第一世代(詰め物による皮膚持ち上げ)や、第二世代(皮下組織の支持強化によるリフトアップ)の注入術に対して、プロファイロに代表される第三世代の注入術は、既存の注入術とはコンセプトが全く異なる、完全なる別もののヒアルロン酸注射によるエイジングケア治療であるといえるでしょう。
◎上記部位のうち、プロファイロ注射が特に得意とするのは、頬と首のしわ・たるみです。
第三世代のヒアルロン酸として世界が注目する「プロファイロ」と「スネコス」
なお、プロファイロと同じ第三世代のヒアルロン酸として当院でもご指名が多いのが、スネコス注射です。現在、この2つが第三世代のヒアルロン酸として美容医療業界で最も熱い注目を集めており、この二大ブランドが世界的な人気を二分し、お互いに良きライバル関係にあるとされています。(二製品の違いについては後ほど解説します。)
プロファイロは、(スネコス注射がイタリア・ミラノ発であることと多少関係があるのかもしれませんが)イタリア・ロンバルディア州のミラノを少し南に下った場所にある都市、ローディにて作られています。(注:製造元のIBSAグループ自体はイタリアではなく、スイスの多国籍企業です。)2015年にイタリアにて発売されて以来、既に世界43ヶ国において15万人以上の方が、プロファイロによるエイジングケアを目的とした肌再生治療を行っており、その安全性と効果については既に世界レベルで実証済みで、数々の国際的に著名な賞を受賞しています。(欧州CEマークを取得済み)
※第三世代のヒアルロン酸のメカニズムは、皮膚そのものに注射を打つことで自家組織に刺激を与え、自身の細胞に細胞外マトリクス(細胞外基質)であるヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチンを作らせることでしわ・へこみなどを改善します。美肌を実現するために何故「細胞外基質」が必要にして十分量あることが重要か?という点については、スネコス注射のページに詳しく解説してありますので、もっと知りたい方はこちらのページをご参照ください。
美肌における細胞外基質の重要性(スネコス注射詳細ページ)再生医療技術から誕生したプロファイロ
スネコス注射の誕生には歴史があります。製造元であるスイス最大の多国籍民間企業IBSA(イブサ)ファーマシューティカル社は、再生医療分野において臓器再生促進を目的としたヒアルロン酸を開発しており、これらのヒアルロン酸のうち低分子のものと高分子のものを組み合わせ、かつ架橋剤を一切加えることなく熱処理およびその後の冷却過程を経ることによって、低分子と高分子が絡み合うように安定的に結合をさせる特許技術を開発しました。(=NAHYCO™・ナイコテクノロジー)この技術をもとに美容医療分野で活用できるヒアルロン酸として製造されたのが、プロファイロです。特許を取得したこの特殊技法は、架橋剤に頼らず緩やかな水素結合によってのみ2種類のヒアルロン酸を結びつけているため、アレルギー反応がほぼ生じず、また従来のBDDEなどを主とする化学的架橋剤を含有する製品に比較して安全性の高い製品と言うことが出来ます。
革新的な特許取得技術(NAHYCO™)
ヒアルロン酸には低分子・中分子・高分子のものがあり、これらの分子量によってそれぞれ生物学的な役割、機能が全く異なります。あるものは、細胞が活動するための足場を与えたり、あるものは細胞表面の受容体と結合することで細胞内に生理活性を持つシグナルを送ったり、あるものは細胞に張力(テンション)を与えることで細胞の増殖・分化・細胞死を調節したりします。この点がこの製剤を理解する点で重要な鍵となるポイントです。 分子量の異なる複数のヒアルロン酸をミックスしたヒアルロン酸製剤は既に存在しますが、それらがただ単純に混ぜ合わせたものであるのに対して、IBSA(イブサ)が特許取得した技法(ナイコ)の場合、低分子と高分子のヒアルロン酸をゆるく結合させ、全く別の新たな分子構造を持つヒアルロン酸を作り出したという点にこの技術の革新性があります。
コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸を自らの細胞で作ることができる
この低分子+高分子ヒアルロン酸の結合複合体が、実は皮膚の真皮層において細胞外マトリックスを再構築させつつ、細胞自体の増生作用があることが数々の実験データから分かり、肌の若返り治療に近年応用されるようになりました。高分子のヒアルロン酸は、細胞が正常に活動・機能するための足場を提供し、低分子のヒアルロン酸は線維芽細胞のCD44受容体(ヒアルロン酸レセプター)に結合することで、細胞内へのシグナル伝達を促進し細胞を活性化することで、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸といった天然成分を自身の細胞に作らせ肌を若々しく状態に再生させることが出来ます。
安定性と拡散性を持ちえたヒアルロン酸
プロファイロは非常に粘着性が高いため組織に対する親和性が高く、打った後に注入部位によくなじんで生着することで自然な仕上がりとなり、さらに効果持続期間も長くなります。そして、このように組織内で高い安定性を発揮するにもかかわらず、その一方で時間とともに少しずつ徐放剤のように打った箇所から周囲組織にヒアルロン酸が拡散して周囲組織をも同時に再構築する効果もある点が特徴です。つまり「安定性(持続性)」と「拡散性(高い流動性)」という、一見すると矛盾するはずの二つの性質をうまくまとめて発揮することが出来る点がこの製剤のテクノロジーの注目すべき強みです。
※ちなみに、「プロファイ(Profhilo)」とはprofessional + high and Lowの合成造語であり、高分子ヒアルロン酸と低分子ヒアルロン酸をブレンドして結合させた方式に、この製剤が肌再生に働く重要なキーポイントがあることから与えられたブランドネームです。
施術の特長
- 「肌育」という新発想
- プロファイロは、自身がもともと持っている再生力を刺激することで、天然のヒアルロン酸・コラーゲン・エラスチンといった肌の若返りに必要な細胞外基質を増生させる点が、今までのヒアルロン酸注入による治療と全く異なる新しい着眼点です。イメージとして、肌が本来必要とする栄養素や刺激を与えて肌を育てて元気にするという感覚から、別名「肌育注射」などと昨今呼ばれています。
従来のヒアルロン酸は、老化によるボリュームの喪失を補充したり、皮膚を支える支帯(Retinacula cutis)と呼ばれる皮下組織構造を強化することによってリフトアップ効果を狙った製剤であったのに対して、プロファイロは、「肌そのものが若返る」という再生治療に近いコンセプトで開発された次世代型のヒアルロン酸です。何らかの異物で膨らませる注入術に抵抗感を感じている方にとっても、心理的なハードルを感じることなく手軽に受けて頂けることができるしわ・たるみ改善治療です。 - 詰め物感のない自然な仕上がり
- 一部の芸能人や海外セレブの方たちにおいて見られるような、若返りを目的としたヒアルロン酸の入れ過ぎ(「オーバーフィル(Over fill)」「オーバーコレクト(Over correct)」と呼ばれます)による、詰め物をたっぷりと詰め込んでパンパンに膨らんだ不自然な仕上がりの顔貌が、昨今社会的に問題となっています。あれだけ多量のヒアルロン酸を注入すれば、確かにしわやたるみ・へこみはなくなりますが、それが本当に美しい顔貌か?と問われると、多くの人が決してそのように感じていないのもまた真実です。もちろん、へこみやコケ、凹凸による肌の陰影がなくなる程度の土台作りとしてヒアルロン酸を皮下に打つ手法は、依然としてヒアルロン酸注入において必要なテクニックですが、皮膚面の小じわやゆるみについては、肌再生を促進するヒアルロン酸(プロファイロ、スネコスなど)を用いるのが時代の主な流れになりつつあります。これらのヒアルロン酸の注入では、顔がパンと張った詰め物感がある仕上がりになることは決してあり得ませんし、見た目は非常にスムースで凸凹やミミズ腫れなども一切生じることなく、上品ささえ感じさせるエレガントなタッチの仕上がりを目指すことができます。
- 立体的な若返り効果
- プロファイロを注入する際の深さは真皮の上層から中層ですが、この部分に注入ことによって活性化する細胞は表皮細胞、線維芽細胞、脂肪細胞と多岐にわたるため、肌にハリ・ツヤが出るだけでなく、ほうれい線やマリオネットラインなど顔に刻まれた線状の陰・くぼみについても改善する効果もあります。さらに、表皮細胞のターンオーバーを促進することで、表皮基底層に蓄積したメラニン色素の排出し、肌のしみ・くすみを取り透明感を上げるといった、美白効果も期待出来ます。
このようにプロファイロは、注入を行った真皮層にのみ作用するのではなく、皮下組織、真皮組織、表皮組織へと立体的かつ多層性に、老化を抑えつつ組織を若返らせることが出来るとするデータが見られます。これは、プロファイロが他のヒアルロン酸製剤と違い水平方向だけでなく、深部方向と表面方向という奥行きを持った3次元的な拡散力に優れた製品であるため可能となる現象です。
スネコス注射との違い
拡散性が高く高濃度であるため、注入回数が少ない
第三世代のヒアルロン酸として同じように注目されているスネコス注射も、同様に組織のリモデリングというコンセプトこそほぼ同じなのですが、この2つには施術方法に決定的な違いがあります。 スネコス注射は肌の浅い層に幾度となく注射をするのに対して、プロファイロは「片頬に数カ所」など、ピンポイントで所定の位置に入れる方式(BAP法/Bio aesthic point もしくはBeauty aesthetic pointと呼ばれます) を採用しています。これは、プロファイロが1箇所に注入した部分から最低2cm四方に組織の中を伝わって伝播拡散することで得られる効果であり、他のヒアルロン酸製剤には見られないオリジナリティの高い製剤技術と言えます。さらに製品溶液2ml中にヒアルロン酸が64mgという超高濃度の製剤であることも、たくさんの箇所に細かく打つ必要がない理由としてよく挙げられます。
注入回数・メンテナンス頻度が少ない
スネコス注射は、施術スタート時は7~10日に1回のペースで計4回施術をしていただき、その後は4~6ヶ月に1回のメンテナンス施術が推奨される施術です。これに対しプロファイロは、1ヶ月に1回のペースで計2回の施術で治療が完了し、その後のメンテナンスは6ヶ月に1回程度となるため、通院回数が大幅に少なくなる点がメリットです。通院頻度が少ないため、お忙しい方や遠方の方などなかなかご来院しにくい方にもお勧めです。
術中の痛みが少なく、ダウンタイムが短い
プロファイロは皮膚に注入する回数(針を刺す回数)がスネコス注射と比較してかなり少ないため、針を刺す際の痛みがより少なく、また腫れ・内出血などのダウンタイム期間が著しく短い点も優れた点です。
しかし、スネコスとプロファイロどちらかが一方的に優れているということではなく、それぞれに良さがありますので、同時にコンビネーションで打つことで相乗効果を得るという使い方も少々贅沢ですが、お勧めの治療法です。
スネコス注射詳細効果目的
- 頬のたるみ、しわ
- 首のたるみ、しわ
- 手背のたるみ、しわ
- 下瞼のしわ(小じわ)
- 目尻のしわ(小じわ)
- 上瞼のしわ(小じわ)
- 口元のしわ
- デコルテのしわとたるみ
- 眉間じわ
- ほうれい線
- マリオネットライン
- 頬のこけ
- コメカミのへこみ
- 妊娠線
- 上腕のたるみ、しわ
- 美白効果
- リフトアップ効果
施術の流れ
- 洗顔:化粧・日焼け止めをしっかり落とします。
- 痛み止めの麻酔クリームor麻酔テープを貼付して15分から20分効かせます。
- 麻酔をスタッフが拭き取ります。(or麻酔テープを剥がします。)
- プロファイロ注射を注射します。
- 注射終了後はスタッフが軟膏を塗布します。
料金
プロファイロ注射(肌再生注射) | 1回 | 88,000円 |
---|
※記載料金は予告なく変更することがございます。またカウンセリング・診察時にご提示したお見積について、有効期間は提示日より3か月とさせていただきます。
※1ヶ月に1回のペースで計2回
施術情報
-
所要時間約20分前後
-
ダウンタイム注射部位に、薬液の注入による膨隆が生じますが翌日にはなくなります。
目回りなどに打った場合には内出血・腫れが生じることがありますが数日で消えます。 -
施術の痛み細い針で刺すことによる痛み
-
通院1ヶ月の1回の間隔で2回を推奨
-
麻酔外用麻酔(麻酔クリームor麻酔テープ)の使用が可能ですが、必須ではありません。
-
持続性メンテナンスとして6ヶ月程度に1回の再注射を推奨
-
洗顔当日可能
-
シャワー・入浴当日可能
-
メイク当日可能
適用禁忌
- 妊娠中の方
- 授乳中の方
- ヒアルロン酸に対するアレルギーが今までにあった方