矢印鼻形成（鼻尖形成・鼻柱下降術）

芸能人にも多い矢印鼻は、凛々しさを醸し出します。
矢印鼻形成術は矢印のように鼻先をスラっと伸ばす手術です。

鼻の上下の長さが短く、元々鼻先が上を向いているいわゆる「短鼻（たんび）」の状態や、鼻の整形手術（鼻プロテーゼ挿入術や鼻尖修正（鼻先縮小）、鼻先への耳介軟骨移植など）によって鼻先が上向きになってしまったようなケースにおいて、鼻先をもっと下に向けたいというリクエストを頂くことが日常診療において多くあります。
その際に、仮に下げたとしても従来は床面に対して鼻先が平行になるくらいまで下げる程度が一般的でしたが、最近はさらに一歩進んで、鼻先が前から見て下向き矢印になるくらい下げたいというご要望を頂くケースがあります。そのほうが、「よりクールに見える」「より大人びて見える」などの理由から最近のトレンドとして増えつつあるようです。当院では、このような矢印形に鼻先を変える手術を「矢印鼻形成」と名付けて施術を行っています。
このように鼻先を下方向に下げる手技を英語では、Derotation（デローテーション）と呼びます。（その反対に下に垂れた鼻先を上方に上げてアップノーズ気味にするのはRotation（ローテーション）と言います） 傾向として、鼻先をより下方に向けるなら、クールで、力強く、自信に満ちた印象となり、逆に鼻先にローテーションを掛けて、上方に向けるなら、より女性らしく、若々しく、やさしい雰囲気となることが多いと言えます。

矢印鼻形成の手術方法はクリニックによってかなり異なりますが、当院で行っているのは、鼻中隔延長術と組み合わせることができる「デローテンション・グラフト」と呼ばれる耳介から採取した移植軟骨を外側鼻軟骨上に固定することで、鼻先の下方への突出（プロジェクション）を上方から下方に向かって後押しするようにセットして、より強調するという手法です。
本施術は基本的に局所麻酔で行いますが、傷みをできるだけ感じたくないという際には静脈麻酔や全身麻酔で施術を行うことも可能です。静脈麻酔の場合は、手術中に鼻の状態を確認することも可能です。

※「だんご鼻」「あぐら鼻」「にんにく鼻」など、鼻の名称としてよく使われる俗称について、それぞれの特長や治療法についてまとめてみましたので、あわせてこちらもご覧ください。

施術の特長

鼻が長く見える

鼻先を下方向に伸ばすことで、鼻の上下長が長く見えます。特に鼻先が元々上を向いている（いわゆる「ブタ鼻」もしくは「短鼻（たんび）」）方からのリクエストが一番多いです。その他にも、鼻の整形手術後に鼻先が上を向いてしまい鼻の上下長が短くなることがよくあるため、このような場合にも鼻先をしっかりと下向きに伸ばすことで、十分な上下長をかせぐことが出来ます。また、鼻と上唇の間の距離が長く間延びしているような場合において、鼻先が下方に伸びることで、この距離を短くして締まった感じに見せる、「人中短縮効果」も得られます。

小顔に見せる

この手術により鼻の上下長が長くなることで、顔面の中央に位置する縦方向の軸が強調されるようになり、顔をより小顔に見せる効果が得られます。具体的には、顔の横幅が中央方向に締まって縮まって見えるという視覚的効果を狙います。

上図AとBでは、同じ面積であるにもかかわらずBの方が少し面積が小さいかのように見えるから不思議です。一種の錯覚と言ってよい現象です。
このような視覚効果（錯視効果）は、鼻スジを高くする手術、鼻先を高くする手術、鼻先を下方に伸ばす手術、鼻柱を下方に出す手術に共通して見られる特徴ですが、これらの手術をコンビネーションとして組み合わせれば組み合わせるほど、より視覚的な効果が相乗的に高まってゆきます。

鼻の穴が目立たなくなる

鼻先をかなり下方向に下げることにより、鼻の穴のキワ部分のアーチを低くすることが可能です。これにより、正面から見て目立つ鼻の穴の面積を縮小して目立たなくする効果が得られます。しかし、鼻の穴の形が元々三角形でその頂点部分が上方に鋭角に切り立っているような際には、本手技ではそれほど鼻の穴を小さく見せることは出来ないため、「鼻孔縁下降術（鼻孔縁延長術）」が合わせて必要なケースもあります。

〇参考：矢印鼻が印象的なタレント、芸能人、俳優・女優の例

女性：山田優、浜崎あゆみ、小雪、井上真央　　など
男性：玉木宏、生田斗真、伊勢谷友介、博多大吉　など

矢印鼻の持つ雰囲気としては、エネルギッシュであったり、意志が強そうだったり、頼りになりそうな感じだったりします。上に上げた芸能界の方達の見た目の印象にもかなり当てはまる部分があるのではないでしょうか。

効果目的

• 鼻先を下に向ける
• 鼻の上下長を延長する
• 鼻の穴を前から見て見えづらくする
• 鼻先をシャープに見せる
• 鼻と上唇の間の距離を短く見せる。（人中短縮効果）

施術の流れ

1. 洗顔・術前の写真撮影
2. 顔面全体および耳の消毒
3. デザイン：皮膚ペン（スキンマーカー）によって皮膚面をマーキング
4. 局所麻酔注射（耳および鼻）。痛みが不安な方は静脈麻酔や全身麻酔での施術も可能です。
5. 耳から軟骨を採取します（軟骨は、耳珠もしくは耳甲介より取ることが多いです。）
6. 鼻の穴のキワと鼻柱の皮膚切開を行い鼻先周りの皮膚を剥離
7. 余剰な皮下組織や鼻翼軟骨の切除
8. 鼻先が下方に向くように、移植軟骨を鼻先付近にセットして鼻翼軟骨や外側鼻軟骨と縫合
9. 術中、皮膚を仮縫合した状態で、上体を起こして御自身で鏡を持って見てもらい、鼻先の形・角度・プロフィールなどを何度かチェックしていただきます。修正の必要があれば鼻先の形や高さの微調整を行います。
   ＊この時点でほとんど腫れはありませんので、正確に完成形をシュミレーションすることが 出来ます。
10. 皮膚を糸で縫合して傷を閉じます。
11. テープ固定およびギプス固定
12. 20分ほど安静室にて休憩し、その後出血が止まっていることを確認して帰宅します。

料金

※記載料金は予告なく変更することがございます。またカウンセリング・診察時にご提示したお見積について、有効期間は提示日より3か月とさせていただきます。

施術情報

• 所要時間
  2時間30分
• ダウンタイム
  腫れが落ち着くのに3週間程度
• 施術の痛み
  局所麻酔注射による痛み
• 通院
  2日目：鼻栓除去
  5日目：ギプス除去
  7日目：縫合部の抜糸。
  （鼻栓を自宅にて御自身で抜去し、ギプス除去と抜糸を7日目にまとめることも可能。）
• 麻酔
  以下の4つのパターンから選択可能
  局所麻酔注射のみ
  局所麻酔注射＋鎮痛点滴
  局所麻酔注射＋静脈麻酔
  全身麻酔
• 持続性
  半永久的効果
• 洗顔
  ギプスが取れる5日目より可能。
• シャワー・入浴
  鼻の腫れがひくまでは体の洗浄はシャワーのみが望ましい。
• メイク
  ギプスが取れる5日目より可能。