しわ取りボトックス注射

術前

眉を中央方向にひそめる表情の癖があり、その時に生じる縦しわ（表情じわ）を消したいという43歳の女性です。表情の動きによるしわに対しては、ヒアルロン酸注入は有効とは言えず、筋肉の動きを抑制するボトックス注射が最もスタンダードな治療です。

参考：眉間のしわ取りでターゲットとなる筋肉

左右の眉を中央に寄せる動きに使われる筋肉は皺眉筋（すうびきんorしゅうびきん）と言い、左右の眉毛の上部分に、眉毛に沿って平行に走っています。
これら左右の筋肉が、中央方向に向かって（矢印の向きに）収縮することにより眉間にたてのしわや溝（へこみ）が生じます。ゆえにこれらの筋肉を狙ってボトックス注射をすることで、眉間の表情しわを消すことが出来るという理屈です。表情をあえて意識的に作らなくても筋肉には一定の緊張が常に存在するために、場合によっては常時しわが寄っていることもあります。

術後2週間

眉間にしわ寄せを作るよう、表情を作ってもらいましたが、皺眉筋の動きが完全にブロックされているため、全くしわが寄らなくなりました。
効果が出るまでは、施術後若干のタイムラグがあり3日から7日後にこのような状態となります。今回は、アラガン社製のボトックス・ビスタ15単位を注射しています。

術前

当院受付スタッフです。
眉毛を上げるクセがあり、その時に出来る額の横しわが強烈に目立っています。
まだ若いからよいですが、年齢が進むと確実にこのしわが皮膚に刻まれて固定化したしわ（表情によらないで出来ている、静止しわ）となってしまいます。

術後1週間

ボトックスを額の前頭筋にわずかに注射しました。写真は、眉毛を上げているところですが額はツルツルの状態です。初体験とのことで本人は感動しておりました。
なお、額へのボトックス注入には実はコツがあり、それを知らないで注射をすると眉毛が下がっておかしなことになるので要注意です。

術前

目元に力を入れたり、笑ったときに下まぶた内側付近に入る多数の縦じわを気にして当院にご相談に来られた30歳の女性です。下まぶたも表情じわの一種ですのでボトックス注射が有効ですが、この部分へのボトックス注射は、注射をする場所や深さを間違うと眼球表面の筋肉（涙液を鼻腔内へ排出するポンプ機能の働きがある筋肉）が麻痺して「流涙」の副作用が出やすいので要注意です。

術後

施術後2週間目の状態です。目元に力を入れて表情を作ってもらいましたが、目頭側に多数あったしわが、ほぼ完全に消失しています。施術においては、「流涙」が生じないようにボトックスの用量を最小限とし、またトータルのボリュームも周囲にあまり拡散しないよう最低限に抑えて調整しました。副作用が生じることもなく、結果にご満足頂けました。

術前

笑った時に上あごの歯茎が前から見えてしまう「ガミースマイル」を気にされて当院を受診された32歳の女性です。ガミースマイルは、上唇を挙上する筋肉（上唇挙筋、大頬骨筋等）が過剰に収縮することでこのような見え方となるため、これらの筋肉にボトックス注射を打つことで収縮力を弱め、筋肉を適度にゆるめてやることで歯茎が見えないようにします。

術後

ボトックス5単位を大頬骨筋と上唇挙筋に注射し、術後2週が経過した状態です。
思い切り笑ってもらったところを写真に収めましたが、歯茎が前から見えるということはありません。施術前よりも上品な印象の笑顔です。ガミースマイルへのボトックス注射は、効かせ過ぎると若干笑いづらくなったり、話す時に滑舌が悪くなったりすることもあります。今回はそのような副作用は全く感じず、調度良い仕上がりだとのことで満足されました。なお、副次的効果として笑った時に法令線と口角のしわが出にくくなっていることも写真上から分かります。加齢によって深く刻まれたしわを防いでくれるアンチエイジング効果も期待出来ます。